2006 Fiscal Year Annual Research Report
土壌生態圏における新規窒素代謝経路の窒素循環における意義の解明
Project/Area Number |
18380053
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
齋藤 雅典 独立行政法人農業環境技術研究所, 研究コーディネータ (40355079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 裕一 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (90154632)
駒田 充生 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央総合農業研究センター, 上席研究員 (30354046)
中島 泰弘 独立行政法人農業環境技術研究所, 物質循環研究領域, 主任研究員 (10354086)
坂本 一憲 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (10225807)
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Keywords | 土壌圏現象 / 微生物 / 菌類 / ANAMMOX |
Research Abstract |
本研究では1.嫌気性アンモニア酸化過程(ANAMMOX反応)、2.非脱窒型の嫌気的亜酸化窒素(N_2O)発生過程、3.AM菌および菌類エンドファイトによる植物の窒素吸収過程、について、農耕地土壌生態系におけるこれら反応の実態を調査するとともに、不明な反応機構についてはさらにその解明を進めて、それらの土壌生態系の窒素循環における意義を明らかにすることを目的とする。 1.水田土壌・浅層地下水におけるANAMMOX反応: 諏訪らの開発したN15同位体トレーサー法によるANAMMOX活性について、質量分析装置に改良を加え、従来より高精度かつ安定したANAMMOX活性測定法を確立した。本法を用い、茨城県石岡市畑地帯の浅層地下水に恒常的にANAMMOX活性が検出されることを発見した。中央農業総合研究センター水田圃場の土壌について、湛水期間に調査を行ったが、こちらからはANAMMOX活性は検出されなかった。 2.非脱窒型の嫌気的亜酸化窒素発生機構: 畑土壌を嫌気的な条件に置くと、土壌中の硝酸はきわめて高率に亜酸化窒素へ変換されることを見出した。また、野菜畑では軟腐病菌がこうした亜酸化窒素生成に関与していることを示唆する結果が得られた。 3.共生菌類による窒素吸収促進と窒素溶脱軽減: アーバスキュラー菌根菌を接種した作物(長ネギ)における窒素吸収の促進をトレーサー法で調査するために、ナイロンメッシュを用いた新たな根箱装置を開発した。本装置では、土壌中の硝酸等の無機態窒素の菌糸コンパートメントから根コンパートメントの移動を完全に防ぐことができた。
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Research Products
(2 results)