2008 Fiscal Year Annual Research Report
酢酸菌にみられる特異な「酢酸耐性」機構の分子基盤解析
Project/Area Number |
18380059
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松下 一信 Yamaguchi University, 農学部, 教授 (50107736)
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Keywords | 酢酸菌 / 酢酸耐性 / 呼吸鎖 / エネルギー生成 / 膜小胞 / 菌膜多糖 / 高温酢酸発酵 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
酢酸発酵には、酢酸生成反応、酢酸耐性能および酢酸過酸化反応の3つの重要な反応(機構)が関与している。我々は、この酢酸生成反応や酢酸耐性能に関わる反応機構について、そのエネルギー代謝と関係させながら、解析を進めてきた。加えて、最近になって、耐熱性酢酸菌の酢酸発酵についても、その高温での酢酸発酵能と酢酸耐性とを関連させて、その機構解析を始めた。1)エタノール酸化系エネルギー生成呼吸鎖の解析:酢酸発酵の生育フェーズは、エタノール酸化期・酢酸耐性期・酢酸過酸化期に区分されるが、それら各フェーズの呼吸鎖において、その末端オキシダーゼがユビキノールba_3オキシダーゼからbdもしくはCIOオキシダーゼに変化すること、Type IとType IIの2つのNADH脱水素酵素が機能していること、機能はわからないがチトクロムbc_1が存在していること、キノール・パーオキシダーゼが存在していて酸化ストレスに対応して機能していることが明らかとなった。2)酢酸排出糸の機能解析期:酢酸耐性において重要な役割を担うと思われる酢酸排出系を解析するために、酢酸発酵条件下の菌体から、非発酵時菌体と同様に、膜小胞および反転膜小胞の作製法の開発が進められてきた。その方法がほぼ確立されたので、今後これらの小胞を用いた酢酸の取り込みを解析する.ことによって酢酸排出能の比較解析を行うことが可能となった。3)高温酢酸発酵と酢酸耐性:耐熱性酢酸菌の酢酸発酵能を解析し、耐熱性菌は高温でより高い酢酸生成能をもつと同時に、高い酢酸耐性能およびエタノール耐性を有することが明らかとなった。加えて、耐熱性菌のアルコール脱水素酵素はより耐熱性および酢酸耐性になっていることも明らかとなった。
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Research Products
(16 results)