2007 Fiscal Year Annual Research Report
多相有機溶媒反応系による糖ペプチドの網羅的合成法の確立
Project/Area Number |
18380071
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
千棄 一裕 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・連合農学研究科, 教授 (20227325)
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Keywords | 有機化学 / ペプチド / 化学合成 / 液相合成 / 二相溶液 / 糖質 |
Research Abstract |
多様な糖ペプチド標準物質の網羅的合成技術の重要度は益々増している。これまで固相合成法は網羅的な化学合成において、おの有用性が広く認められ、特にペプチド合成においては標準的な方法となっている。その一方でオリゴ糖合成においては、溶媒系の制限や反応性の低さから、固相法は一般的な方法になるには至っておらず、一般的な液相合成法が広く用いられている。しかし液相合成法では、反応の各段階において分離・精製操作が必要となり、多段階または同時並行に多数の合成反応を行う目的には困難を伴う。本研究では、申請者が近年見出したシクロアルカン系有機溶媒相溶二相化現象を応用し、多様なオリゴ糖-ペプチド複合体標品のワンポット逐次多段階化学合成法を確立する新たな突破口を切り開くことを目的とした。 ・糖ペプチド合成の出発物となるコアユニットを用いた合成反応の実施 相溶二相系で糖ペプチドを合成する場合、コアユニットに糖鎖またはアミノ酸が逐次結合した各段階の生成物が反応液を二相に分離した状態で、シクロアルカン相に分配される必要がある。そのために糖質部分に疎水性保護基を有し、糖鎖に結合したアミノ酸のN末端、C末端にそれぞれペプチド鎖を伸長可能なコアユニットを構築し、多様な糖ペプチドの化学合成を実施した。 ・糖鎖・ペプチドを逐次伸長する均一/二相溶媒システムの探索 簡便な操作性を基軸とする合成反応条件を探索した。コアユニットは相分離状態で上相に回収可能とし、糖鎖またはペプチド鎖伸長試薬は下相に回収するための詳細な条件検討を行った。
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Research Products
(11 results)