2006 Fiscal Year Annual Research Report
非メチレン介在型脂肪酸の抗脂肪肝作用と作用機構の解明
Project/Area Number |
18380076
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 泰志 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (60194049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 郁男 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (40136544)
中津川 研一 昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (70155761)
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Keywords | 脂質 / 脂肪酸 / 脂肪肝 |
Research Abstract |
年々増加傾向にある脂肪肝のうち、慢性脂肪肝は、主にアルコール多飲と肥満によるものであり、そのため糖尿病や高脂血症、動脈硬化など生活習慣病を合併する危険性があり、健康上、注意が喚起されている。脂肪肝の治療には、脂肪肝の原因となる生活習慣を改善することが必要であるが、ストレスや生活時間が不規則な現代社会では、脂肪肝を治療・予防することは難しいのが現状である。そこでサプリメントや医薬品による脂肪肝の予防改善が試みられているが、過剰摂取による弊害の危惧がある。本研究では、日常規則的に、かつ容易に摂取可能な食事の形態として、非メチレン介在型脂肪酸を含む油脂を食することにより、脂肪肝を予防することを実験動物と培養細胞を用いて証明することを目的とした。 非メチレン介在型脂肪酸であるシアドン酸(all cis-5,11,14-eicisatorienoic acid)を10%含むカヤ油を食餌に与え、SD系雄性ラットを4週間飼育した。解剖して肝臓と血液を採取した後、脂質を抽出し、トリグリセリド、コレステロール、リン脂質含量を測定すると共に、肝臓の脂質代謝関連酵素の活性とmRNAの発現量を測定した。その結果、カヤ油を摂取した群で、大豆油あるいはコーン油を摂取した群よりも、血清および肝臓のトリグリセリド含量が著しく低い値を示した。また、脂質合成系酵素の活性もカヤ油摂取群で低い値を示した。これより、シアドン酸を含むカヤ油に抗脂肪肝作用のあることが示唆された。
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