2007 Fiscal Year Annual Research Report
育毛促進および抗脱毛作用を有する低分子ペプチドの作用機構
Project/Area Number |
18380081
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 正明 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (50026572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大日向 耕作 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00361147)
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Keywords | Angiotensin II / 毛球ケラチノサイト / soymetide-4 / soymetide-B4 / TGFβ2 / 円型脱毛症 / substance P / 抗脱毛作用 |
Research Abstract |
Angiotensin II:Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Pheがマウス毛球ケラチノサイトに対する増殖促進活性を有することを見出し、その構造-活性相関を検討したところ、活性発現に最低限必要な構造はテトラペプチドAngiotensin II(4-7):Tyr-Ile-His-Proであることがわかった。その際の遺伝子発現変化をDNAマイクロアレイおよび定量的PCRにより検討したところ、TGF β2の増加が認められた。Tyr-Ile-His-Proは抗がん剤etoposideによる授乳ラットの脱毛を防ぐことを見出した。 大豆ペプチドsoymetide-4:Met-Ile-Thr-Leuおよびsoymetide-B4:Met-Ile-Ile-Ileはマウスに対して育毛促進作用を示すが、両ペプチドはマウス毛包ケラチノサイトに対して10^<-5>Mで増殖促進作用を示した。その際の遺伝子発現をDNAマイクロアレイおよび定量的PCRにより検討したところ、TGFβ2遺伝子の発現増加が認められた。 円型脱毛症は精神的ストレス等によって誘発されるが、内因性ペプチドsubstance P:Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-Phe-Phe-Gly-Leu-Met-NH_2がその原因物質であることが知られている。そのC末端構造はsoymetide-4を逆向きにしたretro soymetide-4:Leu-Thr-Ile-Metとホモロジーを有することに着目し、まず、抗がん剤etoposideによる脱毛に対するsubstance PおよびC末端ペプチドの効果を検討したところ、substance Pそのものは効果を示さなかったが、C末端ペプチドであるsubstance P(7-11):Phe-Phe-Gly-Leu-Met-NH_2、substance P(8-11):Phe-Gly-Leu-Met-NH_2、およびsubstance P(9-11):Gly-Leu-Met-NH_2が抗脱毛作用を有することを見出した。また、substance P(9-11)の抗脱毛作用は、soymetide-4同様、EP_4レセプターを介することが判明した。さらに、substance P(7-11)の方向性を逆向きにしたretro substance P(7-11):Met-Leu-Gly-Phe-Pheはsoymetide-4、およびsoymetide-B4とのホモロジーを有すると同時に、これら同様、抗脱毛作用を示すことが判明した。
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