2006 Fiscal Year Annual Research Report
胃腸疾患におけるカルパインの関与と機能性食品による治療・予防法の検討
Project/Area Number |
18380085
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
反町 洋之 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10211327)
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Keywords | カルパイン / 胃腸 / 酵素 / 蛋白質 / 蛋白分解 / 胃潰瘍 / 食品 / 粘膜 |
Research Abstract |
カルパインはCa^<2+>依存的に基質機能を変換する細胞質内モジュレータ・プロテアーゼである。哺乳類では14種類存在し、遺伝子の変異によって致死、あるいは疾患を呈することが判明している。ヒトでは、組織特異的に発現するカルパインがいくつか報告されており、nCL-2/2'/4は、胃や腸に発現が限定される。さらに、nCL-2が胃粘膜保護に重要な胃表層粘液細胞に限局すること、膜タンパク質逆輸送に関与するβ-COPと相互作用することを見出し、細胞移動や粘液分泌に重大な機能を果たすことが示唆された。胃腸は食品の消毒、消化などで極めて重要であり、また食品成分による影響を著しく、即時的に受ける。そのため胃酸、粘液、消化酵素の分泌をはじめ、特殊化した機能を有する。これらは、胃・腸特異的カルパインの生理機能と密接に結びつくと考えられる。そこで本研究は、ノックインマウス(活性中心Cys→Serの不活性型カルパインを発現)とプロテオーム解析を含む生化学的解析を用いてカルパインの生理機能を解析し、胃疾患の治療・予防を様々な機能性食品によって実現することを目的とする。 まず、nCL-2/4の遺伝子改変マウスの作出・解析を行なった。ヒト疾患の症例が一切無いnCL-4に関しては、遺伝子改変マウスの作出を計画し、ターゲティングベクターを作製し相同組み換え体ES細胞を取得した。現在は、マウス個体を得るべく実験中である。nCL-2に関しては、ノックインマウスの作出を完了し、ストレス性胃出血という表現型を得た。同時に、これらの遺伝子改変マウスは、疾患モデルマウスとして、その分子機構の解析を行なった。野生型マウスとの比較解析が重要であり、DNAマイクロアレイ解析および二次元電気泳動-マススペクトル解析により、いくつかの興味深い分子がnCL-2/4と相互作用することが判明した。今後、その生理的意義を解析していきたい。
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