2008 Fiscal Year Annual Research Report
野生アカネズミを生物指標として用いたダイオキシンによる内分泌攪乱作用の影響評価
Project/Area Number |
18380089
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
関島 恒夫 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (10300964)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 良孝 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (90003673)
星 信彦 神戸大学, 農学部, 教授 (10209223)
|
Keywords | アカネズミ / ダイオキシン / Aryl hydrocarbon Receptor / 多型 / 個体群 |
Research Abstract |
前年度、in vitroで明らかとなったアカネズミにおけるダイオキシン受容体(AhR;Aryl hydrocarbon Receptor)のコドン799で検出されたアミノ酸多型R(アルギニン)とQ(グルタミン)の機能的な差異について、生体での反応を評価するためにそれぞれのアリルをホモ接合体で持つアカネズミ(QQ群,RR群)にダイオキシン投与を行い、AhR活性の指標となるCYPlA1のRNA発現量を測定した。その結果、QQ群はRR群より高い発現量を示したことから、コドン799のアミノ酸置換によってAhRの機能に差異が生じ、生体はダイオキシンに対して高感受性(QQ)及び低感受性(RR)を示すことがin vivoで実証された。このことから、低感受性アリルであるコドン799のRはダイオキシン汚染に対して有利なアリルであることが明らかとなった。 上記の結果を踏まえ、AhRのコドン799のアミノ酸多型をマーカーとして野生アカネズミ個体群がダイオキシン汚染によって受ける影響をコドン799のアリル頻度から評価を行った。ダイオキシン汚染地域、及び非汚染地域で捕獲されたアカネズミのコドン799のアリル頻度を比較したところ、両地域において違いは見られなかった。その理由として、自然環境下ではダイオキシンによる汚染範囲が小規模であるため、集団からの移出入が頻繁に行われることでアリルRが集団内に固定できないことが考えられた。
|
Research Products
(3 results)