2006 Fiscal Year Annual Research Report
生物間相互作用に基づくニホンジカ密度の推定法と広域的な森林生態系管理手法の開発
Project/Area Number |
18380097
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
日野 輝明 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, チーム長 (80212166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 宏樹 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, 主任研究員 (50353587)
吉村 真由美 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, 主任研究員 (40353916)
高橋 裕史 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, 主任研究員 (60399780)
上田 明良 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, チーム長 (90353599)
古澤 仁美 独立行政法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 主任研究員 (40353841)
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Keywords | 大台ヶ原 / 生物間相互作用 / 生態系管理 / ニホンジカ / 森林植生 |
Research Abstract |
ニホンジカによって深刻な被害を受け、かつ複数の植生群落から構成される奈良県大台ヶ原の森林生態系において,生物問相互作用に基づいたニホンジカ密度の推定法及び広域的な森林生態系管理手法を開発するために、今年度は、上層木(トウヒ・ウラジロモミ・ブナなど)と下層植生(ミヤコザサ・スズタケ・ミヤマシキミなど)の異なる9箇所の定点調査地を設定して、各地点での毎木調査と実生調査、シカ排除柵の設営、シカの個体数センサスルートの選定などを行った。実生の発生数は下層植生によって大きく違っており、ミヤコザサやスズタケが密生しているところでは少なく、シカの採食によってスズタケが枯死しているところで多かった。またシカの忌避植物であるミヤマシキミが密生しているところでも実生の発生は多く、ササに比べて影響は小さかった。シカはミヤコザサが下層に密生しているところで密度が高かったが、シカ個体数の季節変化からミヤコザサの生育に合わせて大台ヶ原内の小規模移動がある可能性が示唆された。来年度は、各調査地点に設けたシカ採食排除区と対照区において下層植生の調査を毎月行い採食の影響を定量的に評価するとともに、各地点でシカの直接観察及び自動撮影カメラや糞数カウントによる個体数センサスを毎月行い植生調査との関係を解析する。また、下層植生と地表および河川に生息する節足動物群集との関係、下層植生と土壌養分との関係を明らかにする。
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