2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18380101
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平井 卓郎 北海道大学, 大学院農学研究院, 教授 (20173205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 章夫 北海道大学, 大学院農学研究院, 助教授 (40183040)
佐々木 義久 北海道大学, 大学院農学研究院, 技術職員 (20396302)
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Keywords | 製材 / 木質材料 / 気乾比重 / 静摩擦係数 / 動摩擦係数 / 強度異方性 / 樹種群 / 構造設計 |
Research Abstract |
平成18年度は,木質構造で一般的に使用される構造用針葉樹製材と各種構造用面材(木質系,非木質系を含む)等との摩擦係数測定を行った。対象とした材料は次の通りである。(1)広葉樹(南洋材)合板、(2)針葉樹合板、(3)OSB、(4)MDF、(5)火山灰系ボード(商品名ダイライト)、(6)鋼板。 上記のうち、強度異方性を持つ製材、合板、OSBについては強軸方向、弱軸方向の各組み合わせについて実験を行った。実験に用いた構造用製材は、スギ、トドマツ、カラマツの気乾材から、実際に使用されている範囲をカバーできるように、比較的比重の低いものから高いものまでを抜き出し、一般的なプレーナーによる鉋削仕上げを行った。これらの製材と上記の材料とを上下に重ねて鉛直荷重を加え、油圧ジャッキを用いて水平方向に加力することによって、静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。 実験の結果、以下のような知見が得られた。 1.製材と上記の構造用材料との静摩擦係数は0.2強から0.3強の範囲にあり、材料による摩擦係数の違いはそれほど大きくなかった。 2.製材および強度異方性を持つ材料の摩擦係数は弱軸方向が相対的に大きい傾向を示した。 3.摩擦係数は製材の気乾比重と負の相関を持つことが分かった。 4.静摩擦係数と動摩擦係数の比は材料、加力方向によって多少異なる傾向が見られた。 上記の結果から、構造設計において摩擦係数を考慮する場合の要点を整理すると次のようになる。 1.気乾比重によって区分された樹種群ごとに標準値を与えるのが妥当である。 2.木質構造で一般的に用いられる構造用面材の摩擦係数は、材料毎、加力方向毎に評価するのが適切であるが、絶対的な差がそれほど大きく無いことから、個々に区別するのが煩雑な場合は、一律に安全側の数値を与えることも可能であろう。
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