2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18380101
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平井 卓郎 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 教授 (20173205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 章夫 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (40183040)
佐々木 義久 北海道大学, 大学院・農学研究院, 技術職員 (20396302)
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Keywords | 丸太組耐力壁 / 静的水平耐力特性 / 動的応答特性 / 見かけの摩擦係数 / 面外変形 / 振動モード / 共振 |
Research Abstract |
平成19年度は,当初申請の通り,丸太組耐力壁の水平耐力におよぼす部材間摩擦の影響について検討するため,丸太組耐力壁の一部を抜き出したモデル試験体を用いて,静的水平加力試験および水平加振試験を行い、以下のような結果を得た。 1.丸太組耐力壁の静的水平耐力特性 丸太組耐力壁を構成するログ材を単純に上下に重ねた場合の見かけの摩擦抵抗は、壁の面外変形などに起因する複雑な相互接触に起因して木材どうしの純粋な摩擦抵抗より大きくなり、0.5以上の値が計測された。しかし、直交壁と組み合わせた実際の耐力壁仕様では、よほど高い精度でログ材どうしが密着しない限り、直接上下のログ材間で伝達される鉛直荷重の比率は低く、その結果、100%の鉛直荷重を想定した場合の見かけの摩擦係数は上記の20%から30%程度(0.1〜0.15程度)に留まった。この結果から、損傷限界内であっても、鉛直荷重による初期摩擦に大きく期待することは危険であることが明らかとなった。 2.丸太組耐力壁の動的水平耐力特性 丸太組耐力壁に動的な水平力が加わると、応答レベルの小さい範囲ではログ材どうしが摩擦によって一体化して振動するのに対し、摩擦限界を超えると各ログ材が個々に挙動して、複雑なモードの振動性状を示すことが分かった。この摩擦上限応答限界は、静的試験の結果と同様に、応答せん断力係数が0.1から0.15程度の範囲に対応することが分かった。また、このような動的応答は、入力波の周期によって大きく異なり、比較的長周期の波に対して大きな共振挙動を示すことが分かった。
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Research Products
(2 results)