2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18380103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
信田 聡 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00201541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 幸恵 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (30301120)
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Keywords | 木材 / 水分 / 非破壊 / 乾燥 / x線 / 含水率 / 古材 / 劣化診断 |
Research Abstract |
年度当初の実施計画に対する実施結果を以下に報告する。(実施計画1)本年度も若干装置使用方法について調整を実施する。(実績1)前年度と同じ手法による画像補正を実施し,この方法による最適条件を検討し,木材の含水率分布計測条件としては取り込み画像を32分割(寸法0.6mm程度)に対して測定誤差が含水率1%程度に抑えられることが明らかとなった(雑誌論文に記載)。さらに画像変形補正方法としてワーピング手法を取り入れて実施し,精度向上を行ない本装置を使っての乾燥過程の木材含水率分布計測条件を整えた。(実施計画2)前年度に着手した実験,すなわち2気室型恒温恒湿装置を用いて2つの異なる空気環境を設定して,その間に木材を挟み,温度,湿度勾配を発生させ,その環境下で木材内部水分状態が平衡に達した時点で木材をとりだし縦断面(厚さ方向)における含水率分布を本装置により計測する,についてもう少しデータを増やしたい。(実績2)これについては応用的テーマである"密度傾斜面材が木質壁内部湿度環境を改善できる理由"(学会発表に記載)により実施し,従来難しかった数mm厚の材料断面内含水率分布を本装置により計測できたので,材料内部の含水率勾配の違いにより水分移動の大小が異なり壁内部の湿度環境が変化することを明らかにした。(実施計画3)得られたデータを基にして,水分拡散現象にとくに詳しい海外共同研究者とのディスカッションが不可欠であるため,これを行い,実環境における木材中の水分拡散モデルについて理論構築を行う。(実績3)これについては最終年度に実施する。実施計画にはなかったが,本装置を用いて寺院などに使われた古材の腐朽劣化診断に適用した。結果は,古材ではケブカシバンムシ(Nicobium hirtum)による食害が著しく見かけ密度と軟x線透過像から,その程度は当初材>寛文材>天保材の順に大きいことが確認された(学会発表)。
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Research Products
(5 results)