2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18380103
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
信田 聡 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00201541)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 幸恵 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (30301120)
|
Keywords | 木材 / 水分 / 非破壊 / 乾燥 / X線 / 含水率分布 / 水分拡散 / 劣化診断 |
Research Abstract |
(本年度実施計画)温度勾配、含水率勾配が逆の傾きを持つ環境に挟まれた材料内部の水分状況の精査。海外研究者等とのディスカッションを行い木材中の水分拡散現象について検討。(成果)二気室型の恒温恒湿装置の左側面を20℃,65RH、右側面を30℃,50%RHに設定し、その間に挟んだ試験体の暑さ方向含水率分布を軟X線装置により測定した結果、右側ほど低含水率の傾向が見られたが、含水率の差がそれほどつかなかった。これは温度勾配があり右側ほど温度が高く、水分が高温側から低温側へ移動する駆動力が働いたためと考えられる。測定精度は、20℃,65%RH平衡下において1ピクセルを約0.3mmメッシュとしたときのピクセル毎の含水率の標準偏差が2.5%に収まり極めて良好な精度であった。(研究発表1番目)。これによりデジタル軟X線装置による材料内部の含水率分布測定法を確立した。海外研究協力者と連名で成果を公表した(次ページ論文1番目、3番目) (研究のまとめ)(1)デジタルX線マイクロスコープを木材中の水分分布計測に適用するために必要な調整方法(次ページ論文3番目)、(2)木材乾燥中の割れ発生に対して含水率傾斜の大小が及ぼす影響(研究期間終了後さらに検討する〉。(3)異なる環境に挟まれた密度勾配を持つ材料内部の含水率傾斜の精査(論文1番目と3番目、研究発表1番目)。(4)様々な温度湿度勾配が異なる環境に挟まれる材料内部の含水率分布の精査(研究発表1番目)。(5)水分拡散・透湿現象の検討(研究期間終了後さらに研究を続ける)。(6)デジタルX線マイクロスコープを用いた応用研究として寺院等に使われていた古材の腐朽程度評価(論文番号2番目)。実験計画はおおむね実行された。
|
Research Products
(5 results)