2008 Fiscal Year Annual Research Report
レトロウイルスを用いたDNAワクチンに代わる新たなRNAワクチンの開発
Project/Area Number |
18380110
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西澤 豊彦 Hokkaido University, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (10222184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉水 守 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (40122915)
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Keywords | ワクチン / 魚類ウイルス / 伝染性造血器壊死症ウイルス / ウイルス性神経壊死症ウイルス / レトロウイルス / 感染防御 |
Research Abstract |
本研究は、従来のコンセプトとは異なる新しい魚類ウイルス病のワクチン「RNAワクチン」の開発・確立を目標としている。RNAワクチンとは、発現させたい感染防御抗原遺伝子をmRNAとしてウイルス粒子にパッキング後供給し、感染防御抗原遺伝子を標的細胞で発現させ、DNAワクチンと同様の免疫を誘導するものである。昨年度までに、魚類レトロウイルスであるSnRVの各遺伝子およびレポーター遺伝子のクローニングが完了し、インテグレーション条件を明らかにした。本年度は、インテグレート細胞のクローニング条件、標的遺伝子のパッキングと遺伝子発現について検討し、以下の成果を得た。1)SnRVのインテグラーゼにより標的遺伝子を組込んだ細胞を、Gemeticim(250μg/mL)含有培地で7〜10日間培養することで、インテグレート細胞をクローニング可能であることが明らかになった。2)SnRVの構造タンパク質発現細胞で、SnRV由来のψ配列を有するレポーター遺伝子を発現させると、同遺伝子がSnRV粒子にパッキングされること、さらにレポーター遺伝子を保有するリアソータント粒子をBF細胞に接種することで、同レポーター遺伝子が発現されることを確認したが、その発現効率は低いものであった。同様の手法で、SJNNVの感染防御遺伝子およびψ配列を有するリアソータント粒子を作出する系を確立したが、標的遺伝子の発現については確認中である。3)レトロウイルスを応用したRNAワクチンは、感染防御遺伝子を用いた「m-RNA型」のワクチンであるが、本研究過程で「ds-RNA型」のRNAワクチンの有効性について、ニジマスおよびIHNVを用いた実験系で確認した。ds-RNA型は、m-RNA型ワクチンに比べ、感染防御効果が高く、様々なウイルス病の予防に容易に応用可能であることを確認した。
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Research Products
(9 results)