2006 Fiscal Year Annual Research Report
最小血縁個体選択交配による継代人工種苗の遺伝的多様性保全シミュレーション研究
Project/Area Number |
18380111
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 順彦 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (20036742)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 正道 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (20192221)
池田 実 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (70232204)
|
Keywords | 遺伝的多様性 / 育種 / DNAマーカー / 人工種苗 / 選択交配 |
Research Abstract |
継代人工種苗の遺伝的多様性保全システムの開発:本研究では、養殖対象種および放流事業対象種などの再生産過程で生じる遺伝的多様性減退の問題の解決をめざし、人工種苗集団の遺伝的変異性の動態把握に適した高感度遺伝マーカー(マイクロサテライトDNA多型)を開発・使用した。 まず、集団遺伝情報の効果的且つ迅速処理を行うため、種々の集団遺伝情報処理ソフトを駆使し、現在起こっている人工種苗集団における遺伝的変化の実態解明に努めた。また、人工種苗集団における遺伝的変化を予測するため、それらの種苗を親に養成して再生産を実施したときに創出される、次世代集団の個体別マーカーアリル型を出力させ種苗生産ミュレーションソフトを開発した。 種苗生産シミュレーションソフトによる最小血縁個体間選択交配の検討:本研究で開発したソフトウェアーを使用して、増養殖用継代親魚集団の遺伝的多様性を維持するため最小血縁個体選択交配における最適条件の検討を実施した。まず、使用予定の親魚の個体問血縁度を推定し、血縁度を指標として遠縁の親魚候補を必要数選びだし、選んだ親魚をランダムに交配させ子供集団のアリル型を出力し、次世代集団の遺伝的多様性指標を推定した。このような非血縁個体選択交配を1世代から30世代まで、順次実施し、遺伝的多様性の推移を記録した。これらの実験の結果、最小血縁個体選択交配法を採用することにより、限界集団サイズに近い集団においてさえ、遺伝的多様性(平均マーカーアリル数と平均ヘテロ接合体率により評価)は海産魚の通常の野生集団の標準的レベルを維持できることが解明された。
|
Research Products
(6 results)