2006 Fiscal Year Annual Research Report
内湾環境比較にもとづく三陸沿岸域の複合養殖生産の最適化
Project/Area Number |
18380113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古谷 研 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (30143548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒倉 寿 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (50134507)
武田 重信 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (20334328)
岸 道郎 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (90214767)
大西 広二 北海道大学, 水産科学研究院, 助手 (80241371)
小河 久朗 北里大学, 水産学部, 教授 (20005656)
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Keywords | 環境収容力 / 複合養殖 / 物質循環 / 物理-生態系モデル / 三陸沿岸域 / 大船渡湾 |
Research Abstract |
大船渡湾における係留観測、物理生態系モデルの改良とこれを用いた解析、養殖実態の把握を行った。係留観測は湾口、中央部およびサンゴ島奥部の3カ所に改訂設置型ADCPを、湾口部と湾奥部に溶存酸素計を、湾奥部に硝酸塩センサーを係留し、海水交換二伴う、溶存酸素と硝酸塩の変動を連続モニターした。係留は2006年8月31日から行い、ADCPは途中回収と再設置を行いながら1年間継続している。溶存酸素計と硝酸塩センサーは同11月6日に回収した。 ADCPの状態が不安定であったため11月までの流れ場のデータは部分的にしか採取できなかったが、湾口部、湾奥部ともに海底付近に広く貧酸素水塊が10月末まで形成され溶存酸素は枯渇していた。底層付近での湾外水の流入が強い場合、溶存酸素濃度が上昇する傾向は認められたが、観測期間を通じてほぼ枯渇し、湾口部の防波堤による海水交換の制約が大きな原因であることが示唆された。10月末から底層の溶存酸素濃度は急激に上昇し、海水交換よりも成層構造が底層の貧酸素水塊の形成を制御していることが示唆された。底層付近の硝酸塩濃度は一貫して低かったが、海水流動に対応すると考えられる変動が認められた。これは、湾外から底層に供給された硝酸塩が貧酸素環境で速やかに還元される状態を捉えたものと判断される。なお、2006年夏季に数次にわたり本州を直撃した台風による被害で係留計が損傷および移動した。今後、より強固な停留方法を策定する必要性を認めた。 大槌湾における先行研究で確立した物理-生態系モデルへのマツカワ養殖の組み込みを行い、現在、生物パラメーターの最適化が進行中である。養殖実態の把握については、大槌から山田にかけての漁業協同組合および養殖魚家での聞き取りを行い、貝類養殖実態を調査した。
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Research Products
(7 results)