2006 Fiscal Year Annual Research Report
免疫関連遺伝子発現プロファイルを用いた魚類ウイルス性疾病の診断・予防法の開発
Project/Area Number |
18380120
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中西 照幸 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00322496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杣本 智軌 九州大学, 農学研究科, 助手 (40403993)
荒木 亨介 日本大学, 生物資源科学部, 研究員 (30409073)
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Keywords | クローンギンブナ / T細胞 / モノクローナル抗体 / 転写因子 / サイトカイン / TCRγ / CD8α / GATA-3 |
Research Abstract |
平成18年度においては、クローンギンブナよりTリンパ球表面抗原及びT細胞の分化・成熟や機能発現に関わる遺伝子の単離ならび発現解析を行い以下のような成果が得られた。 1)T細胞サブセットの同定及び分離のためのリンパ球表面抗原遺伝子の単離 CD4及びTCRγ鎖遺伝子全長を単離した。TCRγ鎖については、定常領域の異なる3種類のcDNAが得られ、それぞれ特異的な発現を示したが、いずれも胸腺や粘膜で発現が認められ粘膜免疫への関与が示唆された。 2)T細胞の分化・成熟及び機能発現に関わる遺伝子の単離 Th1、Th2細胞の分化・成熟に関わる転写因子であるT-bet、GATA-3遺伝子をギンブナより単離した。GATA-3には異なる転写活性を有する幾つかの変異体が存在し、いずれも表面免疫グロブリン(sIgM)陰性のリンパ球で発現していることからT細胞の機能に関与することが示唆された。 3)T細胞サブセットの分離のための抗体の作製 CD8αに対するモノクローナル抗体(MAb)をラットのフットパッド法により作製した。本抗体はsIgM陽性のBリンパ球とは反応せず、鱗移植によるアロ抗原感作により頭腎において陽性細胞が増加したことから、CD8陽性の細胞障害性T細胞を認識していると考えられた。また、セルソーター及び抗CD8αMAbを用いて、ギンブナ頭腎よりCD8陽性T細胞の分離に成功し、これらの細胞群においてTCR及びCD8遺伝子が発現していることをRT-PCR法により確認した。 4)サイトカイン遺伝子の単離及び組み換え体の作製 一部の魚類には、2種類のIFN-γ伝子(IFN-γ1,IFN-γ2)が存在することが知られているが、ギンブナにおいてはIFN-γ1にさらに2種類のアイソタイプが存在することを明らかにした。また、発現解析よりIFN-γ1,IFN-γ2両分子が細胞性免疫に関与していることが示された。
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Research Products
(4 results)