2008 Fiscal Year Annual Research Report
免疫関連遺伝子発現プロファイルを用いた魚類ウイルス性疾病の診断・予防法の開発
Project/Area Number |
18380120
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中西 照幸 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (00322496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杣本 智軌 九州大学, 農学研究科, 准教授 (40403993)
荒木 亨介 鹿児島大学, 水産学部, 助教 (30409073)
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Keywords | クローンギンブナ / T細胞 / モノクローナル抗体 / パーフォリン / CD8 / CD4 / 移植片対宿主病 / MHC |
Research Abstract |
今回の研究において、クローンギンブナCD8αおよびCD4分子に対するモノクローナル抗体(mAb)の作製に成功した。そこで、これらのmAbを用いてT細胞サブセットを分取し機能解明を試みた。 1.魚類CD8陽性(CD8^+)T細胞の特性及び傷害機構の解析:CD4陽性細胞は細胞傷害活性を全く示さず、CD8α^+細胞のみがアロ抗原特異的に強い細胞傷害活性を示した。一方、sIgM^+細胞も細胞傷害活性を示したがアロ抗原特異的ではなくNK細胞によるものと思われた。細胞の傷害にはターゲット細胞との接触が必要であり、アポトーシスを誘導し、パーフォリン依存的傷害経路の阻害剤であるEGTAあるいはコンカナマイシンAの添加により細胞傷害活性が抑制された。また、ギンブナにおける3種類のパーフォリンのうちパーフォリン-1の発現増強が感作後のCD8α^+細胞において認められた。以上より、CD8α^+細胞による傷害にはCA^<2+>依存性のパーフォリンを介した傷害経路が重要な役割を果たすことが示された。 2.移植片対宿主病(GVHD)におけるCD8+T細胞の役割解明:感作ドナー細胞移植7日目のレシピエントにおいてドナー肉来CD4^+T細胞の著しい増加が認められ、続いてCD8^+T細胞の増加が認められた。CD8^+T細胞を除いた白血球移植群ではGVHDの発症及び死亡個体は認められなかった。以上のことから、魚類においてもCD8^+T細胞が急性GVHDの誘導において主要な役割を果たしていることが示された。 3.ウイルス感染細胞における免疫関連遺伝子の発現解析:クローンギンブナ由来鰭細胞より4種類のMHCクラスI遺伝子を単離し、フナ造血器壊死症ウイルス(CHNV)感染後の発現について解析した。その結果、4種類のMHCクラスI遺伝子のうち2種類の遺伝子が、ウイルスが顕著に増殖する以前の感染後3〜6時間後に高い発現を示した。遺伝子の構造及び発現よりこれらの遺伝子が古典的MHCクラスI遺伝子として抗原の提示に関与していることが示唆された。
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[Presentation] Production and characterization of monoclonal antibodies against CD4 and CD8α in clonal ginbuna crucian carp Carassius auratus langsdorfii2008
Author(s)
Nakanishi, T., Y. Saito, T. Koike, H. Toda, F. Takizawa, K. Araki, T. Somamoto, H, Suetake, Y. Suzuki, M. Ototake, T. Moritomo
Organizer
5^<th> World Fisheries Congress
Place of Presentation
パシフィコ横浜
Year and Date
20081000
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