2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイオセキュリティ確保と経済的家畜保健衛生管理・支援システムの構築に関する研究
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18380129
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
金山 紀久 帯広畜産大学, 大学院畜産学研究科, 教授 (00214445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙北谷 康 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50243382)
伊藤 繁 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00003145)
中嶋 博康 国立大学法人東京大学, 大学院農業生命科学研究科, 助教授 (50202213)
福田 晋 国立大学法人九州大学, 農学研究科, 助教授 (40183925)
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
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Keywords | 家畜疾病 / 抗生物質 / 限定合理性 / 平均産次数 / 家畜保健衛生管理 / 豚肉需要 / 価格水準 / 高泌乳化 |
Research Abstract |
平成18年度の研究では、酪農経営における疾病の経営経済的研究と抗生物質の使用を抑制した養豚経営の経営経済的研究を行った。具体的な内容としては次のとおりである。 まず、高泌乳化が疾病および淘汰に与える影響について,農家の対応行動とともに明らかにした。その結果、高泌乳の維持と繁殖障害の予防を両立させることへの難しさには,濃厚飼料の給与やBCSの調整など飼養管理に対する農家判断の限定された合理性が関わっていることが推察された。 また、高泌乳化と疾病の多発による平均産次数の低下の同時進行に関する問題について、酪農経営モデルを構築してシミュレーション分析を行った。その結果、高泌乳化による収益増は疾病の多発による平均産次数の低下によるコスト増を上回っており酪農経営としては経済合理性を有しており、家畜の疾病を抑えるためには、家畜疾病抑制に対するインセンティブシステムの構築が求められていることが明らかとなった。 抗生物質の使用抑制による養豚経営の経営経済的研究では、文献によるサーベイによって、EUにおいて、耐性菌発生リスクを抑えるため、成長促進目的での抗生物質の飼料添加が2006年より禁止され、わが国消費者の家畜に対する抗生物質使用に対する不安が高まりつつある実態が整理され、抗生物質使用の抑制が、家畜保健衛生管理の問題として重要な課題となってきていることを明らかにした。また、デンマークにおける成長促進目的の抗生物質飼料添加禁止の影響について調査を行うとともに、国内では、抗生物質を添加した飼料を使用しない養豚経営を調査し、その経営経済的評価をシミュレーション分析によって明らかにした。その結果、抗生物質無添加飼料によるコンベンショナルな養豚経営では、収益性が2割程度減少すること、抗生物質部添加飼料によって生産された豚肉の需要が十分ではないこと、価格水準の設定をどのようにするのかについての問題が存在していることなどが明らかとなった。
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