2006 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム農業・農村の構造変動と関連機関の役割に関する実証的研究
Project/Area Number |
18380131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
泉田 洋一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (10125809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 敏彦 大東文化大学, 国際関係学部, 助教授 (00407652)
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Keywords | ベトナム / 農村開発 / 農業構造変動 / 農業関連機関 / 農村金融 / 農家兼業化 |
Research Abstract |
本研究は、ベトナム農業・農村の構造変動に関する実証的分析を、ハノイ農科大学農村開発学科の協力の下、3年間にわたって遂行しようとするものである。研究は過去に研究代表者が実施した調査との連続性を意識したもので、ベトナムのふたつのデルタにおける農業・農村の構造変化を捉えるとともに、農業・農村関連組織(とくに農協と農村金融機関)の新たな役割を探るものである。 平成18年度は研究の初年度である。この年度ではまず、ベトナム側研究者と研究分担について議論したあと、7月から8月にかけて、北部紅河デルタのニンビン省で100戸、南部メコンデルタのアンザン省で同じく100戸の農家の聞き取り調査を実施した。ニンビン省調査ではハノイ農科大学のスタッフ7名とともに2つの地域で詳細な聞き取り調査を実施した。また南部アンザン省ではカントー大学のスタッフを中心に農家調査を実施した。 調査項目は、家計資産(労働力、土地、家屋、機械等)とその変化、所得の稼得構造の変化、生産における投入産出構造(生産費調査)とその変化、農業関連組織との関わり(農協、普及所、農業金融機関)等である。日本側からは泉田、須田、出井、山本が参加し、ハノイ農科大学のNguyen Trong Dac氏も両調査に全面的に参加した。 調査のあと、データファイル作成にとりかかった。これはニンビン省についてはハノイ農科大学のスタッフに、またアンザン省についてはカントー大学のスタッフにお願いした。なおデータファイル作成の過程で、データの信頼性にいくつかの問題が生じたため、ベトナム側に補足調査をお願いした。特にアンザン省調査には5年前の調査と連続しない部分があったため再度大規模な補足調査をお願いしている。データファイルは1月時点でようやく完成した。 作成したデータファイルを使って、分析を実施しているが、3月の時点ではニンビン省の兼業化の状態分析が終わったところであり、アンザン省の農業構造分析、およびニンビン省、アンザン省の関連機関分析は平成19年度の課題となる。なお山本はニンビン省データを使って修士論文を作成し、その成果の一部を学術雑誌に投稿中である。
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