2007 Fiscal Year Annual Research Report
文化としての農業と地域社会における生物資源の存続に関する比較研究
Project/Area Number |
18380132
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
末原 達郎 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (00179102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋津 元輝 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00202531)
廣岡 博之 京都大学, 農学研究科, 教授 (60192720)
重田 眞義 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (80215962)
杉村 和彦 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (40211982)
落合 雪野 鹿児島大学, 総合研究博物館, 准教授 (50347077)
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Keywords | 生物資源 / 地域社会 / 品種の多様性 / 伝統野菜 / 文化としての農業 / 生物資源の存続 / ジーンバンク / 文明としての食料生産 |
Research Abstract |
研究代表者の末原は、地域社会における生物資源の多様性の存続に関して、東北・北海道地方では山形県をとりあげ、山形の在来作物研究会と焼畑農業とカブとの関係を、またユキナをはじめとする山形県の在来野菜の存続と利用に関する調査を、中部地方では石川県の金沢市周辺の加賀野菜の調査を、九州・沖縄地方では沖縄県のタイモをはじめとする伝統作物とその生産消費構造の調査を、近畿地方では京都府と京都市における京野菜の生産と流通についての調査を行い、文化として農業が地域社会の中でどのような役割を果たしているかの研究を継続した。落合は、九州と近畿地方においてアオバナやジュズダマに関する調査研究を継続し、日本以外の東南アジアの利用法との比較研究を行った。杉村は近畿地方、特に福井県における地元学を継続し、アフリカの地域社会との比較研究を行なった。秋津は、地域社会における生物資源の保持に関する女性の役割について研究を行ない、国内各地の地域社会において比較調査を実施した。廣岡は家畜、特に牛における品種の保持と地域社会に関する研究を継続し、重田は栽培植物が地域社会の文化の中でどのように保持されているかについて、比較研究を行なった。これらは学術論文のほか、著書としても公刊し、研究成果の地元における利用についても貢献ができるよう試みている。また、生物資源の多様性の保持のためには、地域社会レベルだけでなく、市町村や県などの地方自治体レベル、国家レベル、国際レベルの保存と利用の方法が必要とされるが、特に日本の国家レベルの保存におけるジーンバンクと、県レベルでの保存・利用の可能性と関係性について研究を行なった。国際レベルにおける生物資源の保存に関しては、イギリスのキューガーデンにおけるミレニアム・シード・プロジェクトと研究連絡をとり、キューガーデンの研究調査と、日本の比較研究を行なった。
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Research Products
(28 results)