2006 Fiscal Year Annual Research Report
資源循環型畜産・酪農存続のためのバイオガスシステム導入の複合的評価分析
Project/Area Number |
18380135
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
市川 治 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (20212988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
干場 信司 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (90111161)
發地 喜久治 酪農学園大学, 酪農学部, 助教授 (40244842)
志賀 永一 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50235511)
淡路 和則 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (90201904)
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Keywords | 共同型バイオガスシステム / 複合的な評価分析 / 経済的・社会的評価 / 個別型バイオガスシステム / 設計手順認識支援システム |
Research Abstract |
本研究では、畜産・酪農経営内に導入されてきているバイオガスシステムを大学・研究施設と実例を対象に経営経済的評価とエネルギー収支等の評価、及び社会的な評価などの複合的な評価分析を行うものである。今年度は、大規模共同型バイオガスシステムの例として、(1)熊本県山鹿市の例と(2)熊本県(株)九州産廃の例、(3)大分県日田市の例を調査検討した。(1)では、各施設の稼働、経営・管理、特に経営収支に課題を残している。(2)では、畜産農家の糞尿の投入は受入料の設定など、経済的な問題がある。(3)では市の家畜排泄物・生ごみリサイクル施設で、ごみ処理コストの低減、畜産環境問題の改善、未利用バイオマス資源の有効活用などに、社会的な効果を出している。次に、中規模共同型岩手県葛巻バイオガスシステムは育成牛の糞尿を再利用目的のみにとどまらず、地域の宿泊施設の廃棄物等も投入し、宿泊施設にクリーンなイメージを持たせる効果を出し、また、消化液の提供や堆肥の販売、その他メンテナンスを地域の人々に依頼する等、経済的・社会的な評価を出している。加えて、個別型バイオガスシステムの小川町とバイガスの活用例として、兵庫県神戸市灘区の公共車両の燃料に使うという利用法を調査した。さらに、酪農学園大学ではバイオガスシステム設計手順認識支援システムの開発プログラムの検討を行った。 海外の例としては、バイオガスの先進地と考えられる中国内蒙古自治区バイオガスシステムの調査を実施した。内蒙古自治区は広大で山間部が多く、都市と農村で格差がある。農村部では普段の生活に利用するためのガスや電気が必要であり、個別型バイオガスシステムが政府助成で今8万世帯に導入されガスの利用が進められている。また、大規模共同型バイオガスシステムも2ヶ所にあり、電気の供給等の試験的な実験が行われているが、バイオガスの発生など、技術的な問題がある。今後の検討が必要である。
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Research Products
(6 results)