2008 Fiscal Year Annual Research Report
水田水域における環境修復対策の総合的評価方法の構築
Project/Area Number |
18380139
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
水谷 正一 Utsunomiya University, 農学部, 教授 (70093143)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 久 茨城大学, 農学部, 教授 (80292481)
森 淳 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構・農村工学研究所, 農村環境部, 室長 (10414418)
小出水 規行 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構・農村工学研究所, 農村環境部, 主任研究員 (60301222)
|
Keywords | 農業工学 / 環境技術 / 生物多様性 / 安定同位体分析 / DNA解析 |
Research Abstract |
1.ポスト環境修復段階における食物網,栄養段階の変化(担当:水谷,小林,森)市貝町の溜池3個所に生息する生物種(たとえばユスリカ)は,溜池ごとに異なる炭素,窒素安定同位体比を示した。これは溶存態無機炭素のδ13Cが異なるためと考えられた。このことは,溜池下流に生息する二枚貝(濾過食者)のδ13Cに差が認められたことからも裏付けられる。市貝町の二面張り水路および三面張り水路で採取したベントス(同一種)の炭素,窒素安定同位体比の分散値は前者が有意に大きかった。この違いは生態系内部の環境要因の多様性の違いに起因すると考えられるから,炭素・窒素安定同位体比を環境修復対策の定量的な評価に利用できる可能性がある。 2.開発された遺伝子マーカーによるメタ個体群の空間構造の把握(担当:水谷,小出水)ミトコンドリアMtのチトクローム碓伝子と調節領域,マイクロサテライトMsの12遺伝子座を用いて,栃木県南東部におけるホトケドジョウ6集団の遺伝的構造を解析した。Mt解析では北関東分岐群に属する19ハプロタイプを確認したが,ハプロタイプ間の塩基置換率が低く(0.17〜0.67%),集団間の遺伝的構造まで特定できなかった。一方,Ms解析では対立遺伝子数が4.8〜5.9,ヘテロ接合度の期待値が0.54〜0.61となり,どの集団も同程度の遺伝的多様性を示した。集団間の遺伝的分化尺度は0.06〜0.21となり,尺度に基づく系統樹から水系の違いに関連する遺伝的構造を確認した。 3.HISモデルの構築およびHEP法による環境価値の評価(担当:水谷)日光市小代の圃場整備事業地区においてホトケドジョウ,シマドジョウ,シモツケコウホネの3種についてHEP法奪用いて事業前挙よびミティグーシヲン計画蟻おサる環境値値蓼算出した。その紳果,後者の環境価値が前者のそれを下回ることが明らかとなり,ミティゲーション計画を見直す必要性が示唆された
|
Research Products
(6 results)