2006 Fiscal Year Annual Research Report
分光エネルギー分布制御型発光ダイオード擬似太陽光光源の開発
Project/Area Number |
18380147
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富士原 和宏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (30211535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷野 章 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (70292670)
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Keywords | 人工光源 / 太陽光 / 発光ダイオード / 分光エネルギー分布 / 光生物学研究 / スペクトル可変 |
Research Abstract |
本研究は,地表面における太陽光(以後,単に太陽光)の分光エネルギー分布に近い光を基準光として照射可能であり,かつピーク波長の異なる発光ダイオード(以後,LED)への印加電圧(供給電流)の調節により,光生物学研究において重要な波長範囲について分光エネルギー分布を任意にかつ動的に制御できるようなシステムを開発することを目的としている。その目的達成のため,今年度の計画には,(1)照射光の光強度を快晴時の太陽光の1/2程度にまで高めるとともに,植物育成に最低限必要な照射面積を確保する,(2)LEDモジュール(32種類のピーク波長のLED群を基板に適切に配置したもの)の基板の積層プリント基板化を行う,(3)発熱による分光エネルギー分布の変動を抑制するために,LEDモジュールの基板背面からの能動的放熱のための装備を加える,の3点を挙げた。(1)の数値目標については達成できなかった。これは,LEDモジュールのハードウェア構成の決定(各ピーク波長LEDの選定,基板への各ピーク波長LEDの設置個数比およびそれらの配置の決定,LEDの着脱を可能とする部品および基板表面反射シートの選定など),および円錐型集光筒の光照射口から被照射物までの導光方法の検討に予想以上の試行錯誤を要したためである。しかしながら,種々の試行錯誤の結果,LEDモジュールについては,そのハードウェア構成をほぼ確立することができた。なお,当初導光用として採用を予定していた光ファイババンドルは,実際に設置したときの導光効率が予想以上に小さかったため,導光方法については再検討が必要となった。(2)については,(1)で時間を要したため19年度以降に先送りすることとした。(3)については,基板背面へのフアンによる送風によってLEDおよび基板の温度上昇を問題のないレベルに抑制できることを実験的に明らかにした。
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