2006 Fiscal Year Annual Research Report
音響法による最終糖度予測情報に基づくキウイフルーツの流通管理に関する研究
Project/Area Number |
18380152
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西津 貴久 京都大学, 農学研究科, 助手 (40228193)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 清和 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60026581)
前澤 重禮 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70173698)
中野 浩平 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教授 (20303513)
|
Keywords | キウイフルーツ / 密度計測 / 音響共鳴 / 追熟管理 / 貯蔵 / 流通 |
Research Abstract |
適熟段階にあるキウイフルーツを店頭にならべるためには,未熟果で流通させ,小売段階で追熟処理をする形態が理想的である.本研究では収穫直後のデンプン含量による追熟管理の実現を目的としている.本年度は,デンプン含量を反映する密度の高精度計測システムの開発と,追熟期間中の糖・有機酸含量や硬度変化の密度依存性について実験的な検討を行った. 密度計測装置については,ヘルムホルツ共鳴法を採用し,高精度計測を実現するために,キウイフルーツの形状に合わせた共鳴器を試作した.計測時間約6秒/個で,決定係数0.9997以上の計測精度を実現できた.計測時間をさらに短くするとやや精度が低下する.本年度は速度よりも測定精度を優先するために,計測時間を6秒とすることとした. 研究協力者のキウイフルーツ農園のヘイワード種の4樹を選定し,2006年11月22日〜25日にかけてキウイフルーツを収穫し,収穫直後にサイズ,質量,密度を現地で計測した.測定した密度を元に,低密度・中密度・高密度の区に分け,それぞれエチレンによる追熟実験と炭酸ガス分圧をコントロールした貯蔵実験に供した. エチレン曝露後,デンプンが分解され,グルコース,フルクトース,シュークロース含量が増加し,硬度は減少していく.全糖含量が最大となるのに要する日数は,高密度ほど遅かった.また全糖含量が最大をむかえた後は減少に転ずる傾向がみられた.有機酸については,密度差は見られず,また追熟期間中の変動もほとんどなかった.軟化速度についても,密度差は見出せなかった.つまり,低密度果は,追熟中に糖度が最大となっても,高密度果と比較して糖酸比が低くやや硬いという特徴を有することが明らかとなった. 貯蔵実験については半年間行う予定で,現在進行中である.
|