2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18380155
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
杉山 修一 Hirosaki University, 農学生命科学部, 教授 (00154500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 竹雄 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10228645)
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Keywords | 温暖化 / 高温ストレス / 寒地型牧草 / 活性酸素種 / 膜脂質過酸化度 / 光化学系II / 酸化ストレス |
Research Abstract |
代表的な寒地型牧草であるペレニアルライグラスについて気候温暖化に対するストレス耐性の品種間差異が生じる生理的メカニズムを解明するため, 山梨酪農試験場の圃場での越夏性の評価で高い品種(Yatsu-24)と低い品種(Norlea)を用いて, 再現性のある室内での温暖化ストレス条件の検討を行った。長期間の中程度の高温条件(36℃/30℃, 60日)と短期間の高温(40℃/36℃, 14日)の二つの温度処理区を設け, ストレス障害の指標として(1)光化学系IIの機能損傷を表すクロロフィル蛍光, (2)葉組織からのイオン漏洩度, (3)生体膜の過酸化度を測定した。その結果 (A)用いた2品種は2つの高温ストレス条件で同じ反応を示したが, 長期間-中程度の高温処理でより一貫性のある差を示した。40℃の条件に1週間おいてもペレニアルライグラスは機能損傷を示さないが, 36℃程度の温度に40日以上さらされると機能損傷が見られた。このことから短期的な高温にさらされるよりもある程度の高温条件が長期間続くことが温暖化による寒地型牧草の衰退に関係していることがわかった。 (B)機能損傷として, 光化学系IIの損傷, 生体膜の過酸化度や膜からのイオン漏洩が生じたので, 温暖化ストレスは, 高温により光合成の電子伝達系からの電子漏洩による活性酸素の生成とそれによる生体膜の酸化や膜蛋白質の機能低下が関係していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)