2006 Fiscal Year Annual Research Report
新エンドファイト系統によるミネラル吸収特性改善牧草品種の開発
Project/Area Number |
18380156
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
雑賀 優 岩手大学, 農学部, 教授 (10183360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 晴男 岩手大学, 農学部, 教授 (60003779)
山下 雅幸 静岡大学, 農学部, 助教授 (30252167)
井上 達志 宮城県農業短期大学, 講師 (20264351)
菅原 幸哉 岩手大学, 畜産草地研究所, 主任研究員 (30355078)
但見 明俊 滋賀県立大学, 名誉教授 (60295631)
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Keywords | エンドファイト / ペレニアルライグラス / トールフェスク / イタリアンライグラス / エルゴバリン / Lolitrem B / PCR / 肝臓代謝酵素 |
Research Abstract |
東北地方の自生ライグラスは17集団中11集団でエンドファイト感染個体が検出されたが,各集団の種子感染率は西日本の自生集団平均と比較して低かった。また、東北地方の自生ライグラスの種子は近畿地方の集団より小さく、エンドファイト感染率と種子重との間に正の相関が認められた。 1999年に北東北から収集したエンドファイト感染個体を殺菌剤によってエンドファイトフリーにした個体の種子及び非感染品種のクサボウシ種子に、F-endoを接種して得られた個体を育成し、エンドファイト菌と牧草遺伝子型の相互作用を植物体茎葉のLolitrem B含量について調べたところ、牧草遺伝子型によって集団間及び集団内のいずれでも大きな変異が認められた。 滋賀県宇曽川堤防のイネ科植物のエンドファイト感染率はトールフェスク、アオカモジグサ、カモジグサのいずれも50%以上であった。エンドファイト感染種子のエルゴバリン含量はアオカモジグサ、カモジグサともトールフェスクと比較すると低かった。また、エンドファイトに感染していてもエルゴバリンが検出されないロットもあった。 イタリアンライグラスのエンドファイトとペレニアルライグラスのエンドファイトとのPCRによる識別を試みるため、N.occultansの特異検出に適したPCRプライマーを設計した。ライグラス種子から抽出した全DNAを鋳型としたPCRを行ったところ、感染植物種子からのみN.occltansゲノムに由来する増幅産物が認められ、N.loliiに感染したペレニアルライグラス等との識別が可能であった。 エンドファイト感染、非感染ペレニアルライグラス種子粉末の固型飼料をマウスに給餌し肝臓主要代謝酵素であるチトクロムP450の阻害薬SKF-525Aを投与したところ、感染飼料給餌群は非感染飼料給餌群に比較して飲水量および摂食量が少なく、体重の減少が大であった。SKF-525Aの投与によって感染飼料給餌群は体重の減少が大であったこと、および酵素誘導薬の投与は影響が無かったことは、エンドファイト毒はマウスの肝臓で代謝される可能性を示唆している。
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Research Products
(3 results)