2006 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類生殖器の自然免疫機能強化を目指した抗菌ペプチドの産生とその調節機構の解明
Project/Area Number |
18380168
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉村 幸則 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (10167017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 直樹 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 助教授 (80284230)
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Keywords | ニワトリ / 抗菌ペプチド / ガリナシン / 卵巣 / 卵管 / TOLL様受容体 / リポ多糖 / 自然免疫 |
Research Abstract |
家禽の健康を守り,卵およびヒナの細菌感染を防ぐためには,生殖器の潜在的な免疫機能を強化することが重要である。免疫機能のうち,自然免疫では抗菌因子が重要な役割を果たす。本研究は,鳥類の卵巣と卵管における自然免疫機能を強化するために,抗菌ペプチド「ガリナシン」の産生とその調節機構を明らかにすることを目的としている。本年度は,(1)卵巣と卵管組織において産生されるガリナシンの種類の同定とToll様受容体(TLR)の発現の実証し,(2)これらの発現に及ぼすリポ多糖の影響を解析した。卵胞の卵胞膜と顆粒層でそれぞれ6種類および4種類のガリナシン遺伝子が発現し,卵管では10種類が発現することが示された。これらのうち,ニワトリにリポ多糖を投与すると,卵巣では2種類卵管では4種類の発言が顕著に増加することが明らかとなった。次に,TLR mRNA発現を解析したところ,卵胞の卵胞膜と顆粒層でそれぞれ4種類および2種類のTLR遺伝子が発現し,卵管で6種類が発現していた。また,免疫組織化学的にTLR-4蛋白を検出したところ,卵胞では卵胞膜内層細胞,卵管では粘膜上皮細胞に陽性反応が認められた。このTLR-4が機能的に働くことを検証するために,LPSを静脈内投与してインターロイキン1(IL-1)の発現の変化を解析すると,TLR-4を発現する卵胞膜と卵管で発現が増加した。これらの結果から,卵巣と卵管にはTLRを介する微生物成分認識機能が備わっており,これを介して抗菌ペプチドのGal群の産生が促進される可能性を示した。
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Research Products
(3 results)