2006 Fiscal Year Annual Research Report
ペスチウイルス感染と宿主初期防衛機構の相互作用の解析
Project/Area Number |
18380174
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
明石 博臣 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (10334327)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原澤 亮 岩手大学, 農学部, 教授 (70159101)
|
Keywords | エボラウイルス / ELISA法 / 疫学調査 / 蛍光抗体法 / 抗コウモリIgG血清 / コウモリ免疫グロブリン / Bウイルス / ヨコセウイルス |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき平成18年度は以下の研究を実施した。 1.これまでに、初代培養細胞においてはRNA複製に伴う2本鎖RNAの蓄積がアポトーシスの引き金であることを明らかにしており、この結果を元にBVDV持続感染牛におけるアポトーシス関連宿主因子の発現解析を試みた。免疫機構の恒常性維持に重要な器官である脾臓に着目し、宿主因子の転写量をリアルタイムPCRにより定量した結果、in vitroにおいて誘導が見られた5つの因子(Mx1、iNOS、OAS-1、PKR、TNF-α)の内、iNOSを除く全ての因子が有意に誘導されていた。回帰分析の結果、ウイルスRNAの蓄積量がそれらの宿主因子の転写量と正の相関関係にあったことから、ウイルスRNA複製に伴う2本鎖RNAの蓄積がin vivoにおいても先天性免疫反応の誘導に関与している可能性が強く示唆された。 2.MDBK-SY細胞と、ncpBVDVが細胞病原性を示さない初代培養細胞を用い、BVDV感染によって誘導される宿主因子をDNAマイクロアレイ解析により網羅的に探索した結果、細胞病原性を示すBVDV感染においては主にインターフェロン関連因子が顕著に誘導されていた。その因子の中にはアポトーシス促進、抗ウイルス活性を持つものが多数含まれており、今後は過剰発現が見られた因子の役割について検討する。 3.効率的なウイルスRNA複製に関わる宿主因子を網羅的に探索するため、酵母2ハイブリッド法を用いてRNA複製に関与する非構造タンパクと会合する宿主因子を牛腎臓由来株化細胞(MDBK細胞)由来のcDNAライブラリからスクリーニングを試みた。その結果、腫瘍遺伝子の1つが見出され、共免疫沈降により両者の特異的な結合が明らかとなった。この新たに見出されたウイルス-宿主間相互作用がウイルスRNA複製に与える影響の解析についても現在進行中である。
|
Research Products
(1 results)