2006 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー炎症における好塩基球と肥満細胞の病態生理学的役割の解明
Project/Area Number |
18380176
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
後飯塚 僚 東京理科大学, 生命科学研究所, 助教授 (50301552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 智人 東京理科大学, 生命科学研究所, 講師 (90297630)
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Keywords | 医療・福祉 / アレルギー / シグナル伝達 / 獣医学 / 免疫学 |
Research Abstract |
本年度は、MIST、SLP-76シグナル分子欠損マウスの骨髄細胞を用いて、肥満細胞ならびに好塩基球の培養ならびにその分化、機能について解析を行った。まず、骨髄細胞をIL-3存在下で1週間培養することにより、高親和性IgE受容体陽性、c-Kit陰性の好塩基球の分化が選択的に誘導されることを確認した。さらに培養を継続することで、4週目には好塩基球に代わって、高親和性IgE受容体陽性、c-Kit陽性の肥満細胞の分化が認められた。本培養条件を用いて、MIST、SLP-76単独欠損ならびに二重欠損マウス由来の骨髄細胞を培養した結果、野生型と同様、培養1週目には好塩基球の分化が観察された。以上の結果から、MISTならびにSLP-76という高親和性IgE受容体下流で機能するシグナル分子は好塩基球の分化には必須ではないことが明らかになった。次に、レトロウイルスベクターを用いて、骨髄細胞に活性化型M-Rasを導入することにより、好塩基球ならびに肥満細胞の不死化を試みたが、既に報告されている論文と異なり、IL-3非依存性の好塩基球ならびに肥満細胞の増殖を追試できなかった。現在、培養条件の違いなどについて詳細に検討中である。肥満細胞の高親和性IgE受容体を介したシグナル伝達については、MIST、SLP-76二重欠損肥満細胞に、MIST, SLP776ならびにSLP-76のGads結合ドメインを移植したMIST変異体をレトロウイルスベクターを用いて発現させることにより、高親和性IgE受容体を介した肥満細胞の脱顆粒反応には、これらシグナル分子がアダプター分子であるGadsと結合することが重要であることを明らかにした。
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