2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析によるネオスポラ原虫感染機構の解明と新規予防・治療法開発への応用
Project/Area Number |
18380180
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
玄 学南 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 原虫病研究センター, 教授 (10292096)
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Keywords | Neospora caninum / Toxoplasma gondii / 感染機構 / プロテオーム / 薬剤標的分子 / 組換えワクチン / 抗原虫薬 / MALDI-TOF-MS |
Research Abstract |
本研究ではプロテオーム解析手法を用いて、ネオスポラ原虫の宿主細胞への吸着・侵入に関わるタンパク質の網羅的同定と新規ワクチン・薬剤標的分子の発掘を目的として実施する。本年度に実施した研究内容と得られた研究成果は以下の通りである。 1.前年度までに同定したNcAMA1を大腸菌に発現し、得られた組み換えNcAMA抗原をリポソームにて封入しマウスに免疫したところ、Th1優性の細胞性免疫が有効に誘導されることが示唆された。またこれらの免疫は、ネオスポラ原虫の感染防御に関わっていることが示唆された。 2.ネオスポラ原虫と近縁なトキソプラズマ原虫のロイシンアミノペプチダーゼ(TgLAP)遺伝子を同定し、性状解析を行った。組換えTgLAPを作製し、マウスに免疫することにより特異抗体を得た。得られた特異抗体を用いて、TgLAPのタキゾイト虫体における局在を調べたところ、主に細胞質内に局在していることが明らかになった。次に、精製した組換えTgLAPの酷素活性を調べたところ、典型的なロイシンアミノペプチダーゼ活性が認められた。さらに、ロイシンアミノペプチダーゼの抑制剤として知られているbestatinを用いてBgLAPの酵素活性抑制能を調べたところ、濃度依存性のインヒビター活性が認められた。これらの結果より、TgLAPはトキソプラズマ原虫のアミノ酸代謝に重要な酵素であり、薬剤標的になりうることが示唆された。
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