2006 Fiscal Year Annual Research Report
BSE血液中に逸脱する神経蛋白質と重金属の病態発症過程での役割と生前診断
Project/Area Number |
18380183
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
横田 愽 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90137414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷山 弘行 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90133800)
小岩 政照 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90094820)
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Keywords | BSE / 血液診断 / 金属 / 神経蛋白質 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は次の2点である。 1.BSE血液中に異常成分を見出した。 スクレーピーマウスで見出したFasに対する抗体と同様に、BSE血清中の成分を様々な方法で分画し、正常のそれと比較した。その結果、いくつかの生体成分が発症牛血液中に現れた。しかしながら、これらの中には正常個体血清中にも散在するものもあり、BSE特異的に現れる成分の特定をさらに数多くの試料を分析することによって行う予定である。さらに今後BSEや各種プリオン病の発症との因果関係をあきらかにして行く必要があり、実験的にプリオン病を発症させるシステムの導入が必要になってきた。一方、人工的にBSEを発症成功させた道立畜産試験場より血清を分与していただき、同様に検査しているが、現在のところは見つかっていない。すなわち、現在見出している成分は自然発症に特異的かもしれない。この事を確かめるためにも、下記実験動物を用いたプリオン病発症の実験系の確立が必要である。 2.スクレーピーマウスを発症させ、再現システムを構築出来た。 モルモットのプリオン遺伝子を導入したマウスに異常プリオンの感染した脳乳剤を注入し、実験的にスクレーピーを発症させることができた。BSE血液中に見出した各成分のプリオン病発症過程での役割を明らかにするために、実験的に再現実験を行った。その結果、感染させた全てのマウス脳内に空胞変性が生じた。すなわち、人工発症の実験システムを構築できたことにより、上記の様に血液中に現れる異常成分が発症時期や脳神経細胞破壊の重傷度にどのような影響があるか、途中の臨床症状にどのような特徴が現れるか等を明らかにする実験が組み立てられことになった。今後は、上記成果に踏まえ、自然発症BSEの特異的成分各々の特定を行っていく。
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Research Products
(7 results)