2007 Fiscal Year Annual Research Report
BSE血液中に逸脱する神経蛋白質と重金属の病態発症過程での役割と生前診断
Project/Area Number |
18380183
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
横田 愽 Rakuno Gakuen University, 獣医学部, 教授 (90137414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷山 弘行 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90133800)
小岩 政照 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90094820)
中出 哲也 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (40145991)
松田 一哉 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (60405660)
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Keywords | BSE / 血液診断 / 金属 / 神経蛋白質 |
Research Abstract |
本年度の研究成果(1)イギリスウエッブリッジ獣医学研究所より供与していただいた牛海綿状脳症罹患牛血清成分の解析を行った結果、グリア線維性酸性蛋白質(GFAP)に対する自己抗体と抗原GFAPの逸脱を発見した(19年度プリオン研究会発表、特許出願中)。同じく血清中金属濃度を測定した結果、銅イオン濃度が低い傾向であった。BSEに罹患した牛50頭からの血清を1次抗体として用い、牛の種々の臓器ホモジネート蛋白質に対してウェスタンブロッティング(WB)を行ったところ、延髄などの神経組織ホモジネートに対する自己抗体が確認された。延髄ホモジネートを分画し、各々に対して同様にWBを行ったところ、細胞骨格画分に陽性バンドが検出され、さらに細胞骨格の画分の蛋白質を二次元電気泳動で分離し、WBを行い、いくつかの陽性スポットを得た。この蛋白質をトリプシンによるゲル内消化後、MALDI-TOF MSで解析したところグリア線維性酸性蛋白質(GFAP)と同定された。また、GFAPに対する抗体を用いて、BSE血清中蛋白質に対するWBを行ったところ、抗原GFAPに相当する陽性バンド像が確認された。(2)スクレーピーマウス感染実験系を確立し、プリオン病発症マウス血清中に特異蛋白質を同様に検索した結果、低分子のペプチドを発見した。 以上の結果より、BSE牛血清中にGFAPに対する自己抗体が生じていること、さらに神経細胞の崩壊により末梢血中にGFAPの逸脱が生じていることがその原因と考察され、これらの成分を検出する事で生前診断できる可能性を示した。
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