2006 Fiscal Year Annual Research Report
貪食抑制・補体制御蛋白を標的とした免疫介在性血液疾患に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
18380186
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大野 耕一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (90294660)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 元 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (60163804)
藤野 泰人 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (70401180)
玉原 智史 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (80401181)
|
Keywords | 免疫介在性溶血性貧血 / 血球貪食 / 補体 / 治療 |
Research Abstract |
今年度は犬の赤血球上のCD47分子の赤血球の生理的および病的破壊への関与を解明することを目的として、犬のCD47分子cDNAのクローニングを行うとともに、犬のIMHA症例の赤血球および保存赤血球上のCD47分子の発現について検討を行った。 (1)犬のCD47遺伝子のクローニング 健常犬の脾臓由来cDNAを鋳型とし、すでに報告されている多種動物のCD47遺伝子間で高度に保存されている領域の塩基配列を基にして作製したプライマーを用いてPCRを行い、増幅されたDNAの塩基配列を決定した。得られた犬CD47cDNAは912塩基(303アミノ酸)で、すでに報告されているヒト、マウス、豚、牛のCD47分子とそれぞれ70%、67%、80%、75%の相同性を示した。構造予測解析により、シグナルペプチド、細胞外領域の免疫グロブリン様構造、5回膜貫通型構造、細胞質内領域を持つことが示され、これらはすでに報告されている他種のCD47分子間でも高度に保存されていた。 (2)健常犬の赤血球、白血球におけるCD47発現分布 フローサイトメトリー法を用いて、健常なビーグル犬の末梢血液中の赤血球、白血球におけるCD47発現を測定した。CD47分子に対する抗体として、犬のCD47分子にも交差反応を示すマウス抗ヒトCD47モノクローナル抗体(BRIC126)を用いた。犬の赤血球、リンパ球ではその細胞膜上にCD47分子の発現が認められたが、好中球、単球では発現が認められなかった。
|