2007 Fiscal Year Annual Research Report
貪食抑制・補体制御蛋白を標的とした免疫介在性血液疾患に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
18380186
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大野 耕一 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90294660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
藤野 泰人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (70401180)
玉原 智史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (80401181)
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Keywords | 免疫介在性溶血性貧血 / CD47 / 血球貪食 / 炎症マーカー / 保存赤血球 |
Research Abstract |
平成19年度は,前年度のデータを基に,犬や猫の免疫介在性疾患におけるCD47の発現とその制御について検討を行った。また臨床の現場で問題となる保存赤血球障害について,CD47の発現量変化という観点から解析を行った。 1)犬と猫の免疫介在性疾患における炎症マーカーの変動とCD47の発現について免疫介在性溶血性貧血だけではなく,広く免疫介在性疾患における炎症マーカーを解析し,犬におけるC反応性蛋白,および猫における血清アミロイドA蛋白の有用性を確認した。また同時に犬の免疫介在性溶血性貧血症例におけるCD47分子の発現を検討したところ,CD47分子の顕著な発現低下は認められなかったものの,赤血球再生像によってCD47分子の発現が変化することが示唆された。 2)保存赤血球におけるCD47分子の発現について 臨床的に輸血を行う際には,ある程度の期間赤血球を保存することが今後必要になると予想されるが,赤血球の保存に際しては,赤血球上の分子変化によって,輸血後の副反応の出現が予想される。今回犬の赤血球を一定期間低温保存することによる,CD47分子の発現量変化を観察した。その結果保存前と保存2週間後では赤血球の浸透圧脆弱性が亢進するとともに,CD47分子の発現量が低下することが判明し,保存赤血球の障害発現に関与している可能性が示唆されるとともに,保存赤血球の質的マーカーとしての利用の可能性も示唆された。
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