2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期調節タンパクを分子標的とする造血系悪陸腫瘍増殖制御法の開発
Project/Area Number |
18380187
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 あかね Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (80418673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 浩珍 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (80145820)
新井 克彦 東京農工大学, 農学部, 准教授 (60175940)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 獣医学 / 動物 / 臨床 |
Research Abstract |
これまでの研究結果をもとに、平成19年度はさらに造血系腫瘍における細胞周期謂節タンパクの発現制御機構およびガン抑制遺伝子の発現動態の解析を進めた。 1)造血系腫瘍細胞株におけるG1/Sチェックポイント制御機構の解析 造血系腫瘍細胞株ではD型サイクリンの発現が強発現しており、細胞周期の進行に関与していることを明らかにしているが、サイクリンは、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)と結合することで、細胞周期を促進する転写因子の活性化を誘導する。そこで、白血病および肥満細胞腫細胞株において、D型サイクリンと特異的に結合するサイクリン依存性キナーゼを共役沈降法によって探索し、G1/Sチェックポイントにおける細胞周期の進行に関与するCDK-D型サイクリン複合体を明らかにした。 2)D型サイクリン発現制御因子のプロモーター領域CpGアイランドにおけるDNAメチル化の解析 D型サイクリンを抑制するCip/Kipファミリーサイクリン依存性キナーゼ阻害因子の白血病および肥満細胞腫細胞における発現抑制を明らかにするとともに、これら因子のDNAメチル化解析を進めた。 3)NF-κB活性を阻害する低分子化合物およびD型サイクリンに対するsiRNAの薬効評価 D型サイクリンおよびサイクリン依存性キナーゼに対して特異的な阻害効果を有するsiRNAについて、細胞株および臨床材料から樹立した培養系において、腫瘍性増殖抑制効果を検証している。また、転写因子NF-κBがD型サイクリンの発現誘導に強く関与していることを証明するとともに、NF-κB活性の阻害による細胞周期の停止と細胞増殖抑制効果を明らかにした(論文投稿中、第146回目本獣医学会発表予定)。
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