2007 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ-筋線維芽細胞を基軸とした腎線維化の病理発生の解明と治療法の確立
Project/Area Number |
18380188
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山手 丈至 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 准教授 (50150115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑村 充 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (20244668)
竹中 重雄 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10280067)
岩崎 忠 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (70336808)
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Keywords | 腎線維化 / マクロファージ / 筋線維芽細胞 / 細胞骨格 / 細胞モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、腎線維化部位に出現するマクロファージと筋線維芽細胞の特性を病理学的に解析し、それらの機能に基づいた腎線維化の有効な治療法を探索することである。 本年度は以下の成果を得た。 1.腎毒性を有するシスプラチンをラットに投与し腎線維化モデルを確立し、その病態の解析から線維化にはマクロファージと筋線維芽細胞が中心的な役割を担うことを明らかにした。このモデルに、抗炎症剤であるデキサメサゾンを投与する実験を行ったところ、ED1陽性の浸潤マクロファージの出現は抑制されたが、ED2陽性固着マクロファージとOX6陽性抗原提示マクロファージの出現には影響が見られなかった。また、デキサメサゾンはTGF-β1依存性の筋線維芽細胞の形成を抑制することが示された。デキサメサゾンの効果的な利用は腎線維化の治療に有効である可能性が示された。 2.腎線維化には細胞外基質を産生する筋線維芽細胞が重要であることから、in vitroでの実験系を作成する目的で筋線維芽細胞に分化し得る細胞株(MT-9)の開発に成功した。 3.腎線維化において、マクロファージから産生される因子により線維化が進行することが示されている。今回、肝傷害と肺傷害モデルラットを用いて出現するマクロファージを検出するバイオマーカーを探索する研究を行い、いくつかの可能性ある候補因子を見出すことに成功した。 4.また、高血圧自然発祥ラットを用いて、腎と心臓におけるマクロファージの出現を解析するとともに、このモデルに小豆抽出物を投与するとマクロファージの出現が抑制されることを見出した。 5.現在、さらに腎病変の形成に係わるマクロファージと筋線維芽細胞の役割を解明するためにシクロオキシゲナーゼ因子の関与や血管系・間質細胞の係わりに焦点を当てた研究を行っている。
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Research Products
(4 results)