Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 達 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (20143266)
江頭 祐嘉合 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (80213528)
倉内 伸幸 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00256835)
小沢 聖 国際農林水産業研究センター, 熱帯・島嗅研究拠点, プロジェクトリーダー (40360391)
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Research Abstract |
エンサイは,他の葉菜類に比べ耐暑性や養分吸収能力が高いこと,即ち夏期にける淡水浄化能力が高いこと,一方でビタミン類やポリフェノールなど機能性成分の含有量が多いことが分かってきている水生野菜である。本年度は,草生水路においては,用水を最上流から6〜36L/株/dayの範囲で流量を変えて流し,硝酸態窒素吸収量を測定した。その結果,エンサイ栽培に適した水温25℃以上の時期の限界吸収濃度は0.1ppmに近く,浄化効果は12L/株/dayが最も高いことが分かった。このことから草性水路では流入する淡水の硝酸態窒素濃度に応じて,流量を変えることで,より効率的な水質浄化機能が期待できることが分かった。また,茎の色の異なる2系統(青軸,赤軸)のエンサイの,総ポリフェノール含量,アントシアニン含量,他成分を比較検討し,DPPHラジカル消去活性の測定,および生体内での抗酸化機能についての検討を行った。その結果,総ポリフェノール含量,アントシアニン含量とも赤軸が高い値を示した。DPPHラジカル消去活性は2系統間では大きな差は見られなかったが,他の野菜と比較し強い活性があることが分かった。赤軸エンサイを投与したマウスでの試験から,invivoでも抗酸化能を有することが分かった。赤軸系統のエンサイの機能性野菜としての価値が確認された。種子繁殖に関連しては,人工気象室において,白花系統のエンサイ品種の苗に光質、光量を変えた処理を与え,処理後の生育に及ぼす影響を調べた。その結果,青色光照射で生育速度は高くなるが,花芽形成、発達は抑制されることが分かり,光質によって,花芽分化をコントロールできる可能性が示唆された。
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