2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属を活用する新反応の開発と環境調和型連続反応への展開
Project/Area Number |
18390004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 徹明 Osaka University, 薬学研究科, 教授 (40116059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
好光 健彦 大阪大学, 薬学研究科, 准教授 (30301576)
小島 直人 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (90420413)
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Keywords | パラジウム触媒 / 環境調和 / タンデム反応 / ブロモアレン / アリルジカチオン / π-アリルパラジウム錯体 / 不斉転位反応 / 1,4-不斉化合物 |
Research Abstract |
遷移金属やランタノイド金属の化学は新反応の宝庫として近年特に注目を集めている研究領域である.これらの金属は,典型金属には見られない特異な化学的性質を持ち,従来の手法では成し得なかった新規化学変換法や合成困難な物質の効率的かつ簡便な合成を次々に可能にしている.また,環境調和型の合成化学が求められる今日,触媒的な連続反応を開発することは極めて重要である.このような観点から,報告者らは,金属錯体の潜在特性を駆使した新規反応の開発に取り組み,平成19年度に以下の成果を得た. 1. エンアレン類の[2+2]熱環化反応による複素環の新規合成法の開発 エンアレン類をDMF中加熱するだけで,[2+2]型環化反応が進行し,ビシクロ[4.2.0]骨格を有する二環性化合物が得られることを見い出した.本反応は基質以外に試薬,触媒を必要とせずに加熱のみで進行することから,環境調和,アトムエコノミーの観点からも非常に意義のある結果と言える. 2. パラジウム触媒を用いる多環性複素環の一挙構築 種々のアリールアルケニルブロミドをパラジウム触媒で処理することにより,連続的なC-H活性化が段階的に進行し,多環性化合物が一挙に合成できることを見い出した.
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