2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属を活用する新反応の開発と環境調和型連続反応への展開
Project/Area Number |
18390004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 徹明 Osaka University, 薬学研究科, 教授 (40116059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
好光 健彦 大阪大学, 薬学研究科, 准教授 (30301576)
小島 直人 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (90420413)
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Keywords | パラジウム触媒 / 環境調和 / タンデム反応 / ブロモアレン / アリルジカチオン / アリールラジカル / スピロ環形成反応 / ラジカル環化 |
Research Abstract |
遷移金属やランタノイド金属の化学は新反応の宝庫として近年特に注目を集めている研究領域である.これらの金属は,典型金属には見られない特異な化学的性質を持ち,従来の手法では成し得なかった新規化学変換法や合成困難な物質の効率的かつ簡便な合成を次々に可能にしている,また,環境調和型の合成化学が求められる今日,触媒的な連続反応を開発することは極めて重要である.このような観点から,報告者らは,金属錯体の潜在特性を駆使した新規反応の開発に取り組み,平成20年度に以下の成果を得た. 1.プロパルギルブロミドを用いるドミノ型二環性骨格構築法の開発 二箇所の求核部位を有するプロパルギルブロミドにパラジウム触媒を作用させることにより,プロパルギルブロミド部位がアリルジカチオン等価体として機能して二回の環化反応が一挙に進行し,ジアザビシクロ化合物が得られることを見出した. 2.アリールラジカルを用いる新規スピロ環形成反応の開発 適当なリンカーで芳香環を連結したハロベンゼン誘導体にヨウ化サマリウムを作用させることにより,スピロ環骨格が形成できることを見出した,本反応はヨウ化サマリウムによって生じるアリールラジカルの分子内ラジカル環化反応であり,リンカー部位としてはアミド結合またはエーテル結合,ラジカル受容体は、ベンゼン環だけでなく,インドール環やナフタレン環も適用可能であり,有用なスピロ環化合物の簡便な合成法になりうる点で有用である.
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Research Products
(6 results)