2006 Fiscal Year Annual Research Report
不溶性膜タンパク質化学合成に向けた化学的基盤の確立と応用
Project/Area Number |
18390006
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大高 章 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20201973)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重永 章 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教務員 (10423394)
|
Keywords | 不溶性膜タンパク質 / インテイン / エクステイン / ペプチドチオエステル / アシル転移 |
Research Abstract |
我々はこれまでに膜蛋白質に代表される難溶性蛋白質合成法として脂質二分子膜を反応場とする方法論の開発に取り組んできた。この過程で、水溶性の高い配列を膜領域フラグメントに付加し、膜領域フラグメント間の縮合と共役して水溶性配列除去が可能となれば、画期的な膜蛋白質合成法の創生に繋がるものと考えた。すなわち、水溶性配列をIntein、膜配列をExteinとし、これにスプライシング反応を適応すれば、成熟型Extein配列として膜蛋白質の調製・操作が可能と考え、蛋白質人工編集システムの構築という研究構想に到達するに至った。 蛋白質人工編集システム構築のポイントは、Intein-Extein系の3つの結合切断-再形成段階、(1)N-Sアシル転移(アミド結合切断を伴う)、(2)S-Sアシル転移、(3)S-Nアシル転移(アミド結合切断を伴う)を"化学デバイス"利用によりいかに人工化するかである。アシル転移反応の化学デバイスによって実現すべき課題の本質は、(1)については、N-Extein-Intein相当配列間のアミド結合の平面性消失と近傍へのSH基配置;(2)については、チオエステル部分とC-Extein N末Cysteineの空間的な接近;(3)については、CysteineのS-アシル化に伴う、N末側アミド結合の切断にあると考えた。各段階の人工化に向け、18年度は特に(1)の課題を中心に検討を加えた。 N-Sアシル転移反応が効率よく起こるための必要条件は、活性化されたアミド結合近傍へのチオール基の配置である。この目的のために我々は、S-保護システイン誘導体から調製可能なアシルオキサゾリジノン誘導体を利用することとした。本デバイスを利用することでペプチドチオエステルの新規合成法の開発に成功した。
|
Research Products
(10 results)