2007 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロールアシル化酵素(ACAT)アイソザイム特異的阻害剤の開拓
Project/Area Number |
18390008
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
供田 洋 Kitasato University, 薬学部, 教授 (70164043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪腰 淳嗣 北里大学, 薬学部, 准教授 (30151640)
長光 亨 北里大学, 薬学部, 准教授 (90300756)
石橋 俊 自治医科大学, 医学部, 教授 (90212919)
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Keywords | 動脈硬化症 / ACATアイソザイム / 脂質代謝 / ケミカルバイオロジー / 医療・福祉 |
Research Abstract |
微生物資源、食品や生薬成分などの天然物資源を対象にacyl-CoA:cholesterol acyltransferase(ACAT)阻害剤を探索したところ、黒胡椒に含まれる成分として有名なpiperineや漢方薬として使用されている五味子に含まれるschizandrin類などに本活性を見出した。いずれの化合物ともACAT1とACAT2のいずれのアイソザイムを同程度阻害した(50%阻害濃度は10μM前後)。これらは動脈硬化予防作用のある機能性食品としての活用が期待できる。さらに、真菌の培養液中からsterigmatocystin及びaverufaninを発見した。これらの化合物はいずれもACAT2に対してACAT1よりも強い阻害活性を示した(約10倍の差)。興味深いことに、いずれの化合物も環がangular型に結合していた。ACAT2に選択的に阻害活性を示す化合物は現在のところPyripyropene A以外は報告されていないことから、本発見は非常に興味深いものである。 微生物由来ACAT2選択的阻害剤のpyripyropene Aに関して、誘導体の構造活性相関の情報も加えてファーマコフォアを考慮し、構造の簡略化を行った。モデリングから演繹された85種の化合物についてACAT阻害活性の有無を調べたところ、40種に弱いながらACAT阻害活性を認めた(50%阻害濃度は10μM前後)。残念ながら、ACAT1やACAT2選択的阻害作用を示すものはなく、ACAT1とACAT2を同程度阻害した。今後、これらをベースに誘導体を展開することでアイソザイムに選択的に働く誘導体の創製を目指したい。
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