2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規Caged化合物を用いる光分解性ビオチン標識リンカーの開発
Project/Area Number |
18390009
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青木 伸 東京理科大学, 薬学部, 教授 (00222472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 泰之 東京理科大学, 薬学部, 助手 (10385552)
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Keywords | 生体関連物質 / 生物有機化学 / 光化学 / Caged / ビオチン / 亜鉛錯体 |
Research Abstract |
(+)-ビオチン(Btn)は、アビジン(Avn)は非常に安定な複合体を生成する。その解離定数Kdは約1fMであり、通常の抗原一抗体複合体の100万倍も強く、実質上不可逆である。また、pH、塩濃度条件、変成剤の影響を殆ど受けない。そのため、Btn-Avnシステムは生化学、分子生物学、細胞生物学の実験で必要不可欠な技術となっており、その一例として、アフィニティ-カラムクロマトグラフィーを挙げることができる。しかし、Btn-Avn複合体の解離には過酷な条件が必要であり、リガンド-レセプター複合体をそのまま分離、回収するのは非常に困難である。そこで本研究は、申請者らが発見したCaged化合物を利用することにより、光分解性Btn標識試薬の開発を目的とする。中性pH、常温という温和な条件下、光照射によってリガンド-レセプター複合体をintactな状態で回収し、特異的レセプターの同定、構造解析を行うための全く新しいBtn-Avnシステムを提供する。 申請者はこれまでに、亜鉛(II)イオン選択的蛍光プローブとして8-hydroxy-quinoline(8-HQ)を側鎖に有する12員環テトラアミンL1を合成した。L1はμM濃度でZn^<2+>と定量的に1対1錯体(Zn(H_<-1>L1))を生成し、蛍光強度が増大する。平成18年度は、L1の8-HQをベンゼンスルホニル基で修飾したCagedプローブ(Caged L1)に、中性水溶液中、紫外光(波長328nm)を照射すると、PhSO2基が脱離してL1が生成することを見出した。また、環状テトラアミン部を持たない4a-bも同様の光分解反応が進行すること、本反応が励起三重項状態でS-O結合がヘテロリティックに解裂して進行することを明らかにした(投稿中)。
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[Journal Article] A New Fluorescent Probe for Zinc(II), a 8-Hydroxy-5-N,N-dimethylaminosulfonylquinoline-pendant 1,4,7,10-Tetraazacyclododecane2006
Author(s)
S.Aoki, K.Sakurama, N.Matsuo, Y.Yamada, M.Shiro, K.Takeda, E.Kimura
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Journal Title
Chemistry,A European Journal 12・35
Pages: 9066-9080
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