2007 Fiscal Year Annual Research Report
高立体選択的な反応の開発に基づく生物活性天然物の全合成研究
Project/Area Number |
18390010
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小林 進 Tokyo University of Science, 薬学部, 教授 (70101102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中崎 敦夫 東京理科大学, 薬学部, 助教 (00366428)
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Keywords | 全合成 / 生物活性物質 / 立体選択的反応 / 不斉合成 |
Research Abstract |
既に報告しているビニルケテンアセタールとアルデヒドのビニロガス向山アルドール反応は、ポリケチド化合物の骨格によく見られる部分構造を一挙に構築でき、これら一連の化合物合成の有力な手法になるものと考えている。この部分構造を二箇所に含んでいる抗菌性物質カフレフンジンの全合成は昨年度達成し、今年度はこの部分構造を3個有するTMC-151Cの全合成研究に着手した。 種々検討した結果、本ビニロガス向山アルドール反応を二回利用し、オレフィンメタセシスによるアプローチを試みた。最終的には二つのセグメントをシリレンテザーで結合してからオレフィンメタセシス(閉環メタセシス)によって両者を結合することができた。しかも、8員環にもかかわらず、所望のEオレフィンを与えることを見出し、アグリコン部分の合成を達成することが出来た。 NFκBの活性を阻害する生物活性と炭素10員環骨格からなるディバーシフォリンに興味をもち、メタセシスを利用する戦略を立てて全合成研究を行ない、昨年度までに炭素10員環骨格の構築に成功していた。本年度は、全合成に向けてのその後の展開を試み、効率的ラクトントランスポジション、アルドール反応によるヒドロキシメチル基の導入とデオキシ化などのいくつかの反応を開発することによってディバーシフォリンの最初の全合成に成功した。合成の終盤は少量での変換であり、各工程の収率の向上とデータの収集が今後の課題である。
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