2006 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質分解における糖鎖修飾系とユビキチン修飾系のクロストークの構造的基盤
Project/Area Number |
18390016
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 晃一 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (20211849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 芳樹 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (90323451)
栗本 英治 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助手 (90234575)
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Keywords | タンパク質分解 / 糖鎖 / ユビキチン / NMR / 構造生物学 |
Research Abstract |
1.糖鎖ライブラリーの作成とPNGaseの糖鎖認識特異性の解析 鶏卵由来の免疫グロブリンYなどを原材料として、多次元HPLCマップ法により高マンノース型糖鎖のライブラリーを作成した。一方、peptide : N-glycanase(PNGase)のレクチンドメインを大腸菌を利用して発現した。これを用いて糖鎖との相互作用をフロンタルアフィニティークロマトグラフィー(FAC)法により系統的に解析し、糖鎖認識の特異性を明らかにした。小胞体関連分解にかかわる種々の細胞内レクチンについても組換えタンパク質を調製し、糖鎖結合特性の系統的解析を実施するための基盤を整備した。 2.ポリユビキチン鎖とPNaseの相互作用解析 一定の重合度のポリユビキチン鎖を酵素反応とHPLCを利用して調製した。これにより得られた様々な長さのポリユビキチン鎖(Ub, Ub_2,Ub_3)とPNGaseのPUBドメインとの相互作用をFAC法により解析した。その結果より、ユビキチン鎖の鎖長の増大とともに、PUBドメインとユビキチン鎖との親和性が増大することが判明した。また、ポリユビキチン鎖とPNaseのNMRによる相互作用解析を行うために、特定の位置のユビキチンに安定同位体標識を施したポリユビキチン鎖の大量調製を行うことに成功した。ユニット特異的に安定同位体標識を施したユビキチン鎖の調製により、詳細なNMR解析が実現可能となった。このようにPNGaseのPUBドメインとユビキチン鎖との詳細な相互作用解析を行うための研究環境を整えることができた。
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