2007 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質分解における糖鎖修飾系とユビキチン修飾系のクロストークの構造的基盤
Project/Area Number |
18390016
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 晃一 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 教授 (20211849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 芳樹 名古屋市大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (90323451)
栗本 英治 名古屋市大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (90234575)
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Keywords | タンパク質分解 / 糖鎖 / ユビキチン / NMR / 構造生物学 |
Research Abstract |
前年度までに構築した糖鎖ライブラリーを利用して、(1)糖タンパク質特異的なユビキチンリガーゼ、(2)小胞体でミスフォールドした糖タンパク質を認識している分解レクチン、(3)プロテアソームの分解標的となる糖タンパクから糖鎖を切り出す酵素など、糖タンパク質の細胞内分解の関与する様々なタンパク質による糖鎖認識の特異性を明らかにすることに成功した。これにより、細胞内における糖タンパク質の品質管理システムにおいては、タンパク質上に発現した高マンノース型糖鎖のトリミング中間体の構造に依存して分解標的の認識が行われていることを実証することができた。 一方、NMRを利用して、PNGaseのPUBドメインの立体構造を決定するとともに、安定同位体を施したポリユビキチン鎖の作成技術を基盤として、PNGaseとポリユビキチンとの相互作用部位を明らかにした。さらに、この相互作用はユビキチン鎖の鎖長に依存していることも見出すことができた。 こうした方法論を応用して、小胞体関連分解に関与するユビキチンリガーゼであるgp78のユビキチン認識機構の研究を行い、gp78分子上のユビキチン結合部位を同定した。さらに、その結果に基づいて知見に基づいてgp78によるユビキチン鎖伸張メカニズムに関わるモデルを提唱した。 本研究により、細胞内の糖タンパク質分解における糖鎖修飾とユビキチン修飾のクロストークの構造的な基盤を明らかにすることができた。
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Research Products
(13 results)