2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390022
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤田 均 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (60158946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 淑人 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50362223)
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Keywords | 受精 / 酵素 / タンパク質 / 動物 / 発生・分化 / ユビキチン / プロテアソーム / ウニ |
Research Abstract |
上記研究課題に従い、当初の実験計画をほぼ完了したので報告する。原索動物マボヤでは、精子が卵保護層を通過する際に、精子由来の酵素が卵保護層タンパク質HrVC70を細胞外でユビキチン化すること、またそれを精子細胞膜表面のプロテアソームが分解することを既に報告しているが、そのユビキチン化酵素の分子的実体に関する知見は得られていない。そこで、平成19年度は、精子浸出液(活性化精子の遠心上清)を出発物質として、既報に従ってユビキチン化酵素の精製を行い、得られる標品の分析を行なった。DEAE-celluloseによりイオン交換クロマトを行なった後、ubiquitin-agaroseによるアフィニティクロマトを行ない、ユビキチン化酵素に富む画分を精製した。本標品は、SDS-PAGEで、分子量40kDaの主要バンドを与えた。このタンパク質は僅かしか得られないので、最終精製標品のアミノ酸配列分析は行なえなかったが、DEAE吸着画分を用いてSDS-PAGEを行ない、PVDF膜に転写後、40kDaタンパク質のアミノ酸配列の分析を行なった。その結果、このN末端配列は、既に我々がHrVC70と相互作用するタンパク質として同定しているHrTTSP-1の内部配列と一致することが示された。従って、HrTTSP-1がプロセシングされて、40kDaタンパク質が産生されたと考えられる。本タンパク質は、ubiquitin-agaroseに吸着しDTTで溶出されるが、ATP非存在下でも吸着することから、ubiquitinにチオエステル結合を介して結合しているのではなく、TTSP分子内のSS結合がubiquitin-agaroseへの結合に重要であると考えられる。本タンパク質は、ubiquitinとHrVC70の両者に結合する活性を有しており、HrVC70をユビキチン化する際の足場タンパク質として機能している可能性が考えられるが、このタンパク質がユビキチン化反応に本当に関わるか否かを明らかにするには、更に詳細な解析が必要であると思われる。
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[Journal Article] Mechanism of self-sterility in a hermaphroditic chordate.2008
Author(s)
Harada, Y., Takagaki, Y., Sunagawa, M., Saito, T., Yamada, L., Taniguchi, H., Shoguchi, E., and Sawada, H.
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Journal Title
Science 320
Pages: 548-550
Peer Reviewed
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