2006 Fiscal Year Annual Research Report
創薬を指向したグリコサミノグリカンの機能解明と機能ドメインの糖鎖シグナルの解読
Project/Area Number |
18390030
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菅原 一幸 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 教授 (60154449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 裕之 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (40221915)
山田 修平 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 助教授 (70240017)
三上 雅久 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (20330425)
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Keywords | デルマタン硫酸 / 小脳 / 神経細胞 / 硫酸基転移酵素 / herpes simplex virus / 肝細胞増殖因子 / プレイオトロフィン / コンドロイチン硫酸 |
Research Abstract |
ブタ胎児脳由来のコンドロイチン硫酸(CS)/デルマタン硫酸(DS)混成鎖はマウス海馬神経細胞の突起伸長を促進する。今回、CS/DSの合成酵素遺伝子の発現とCS/DSの二糖組成を解析し、小脳の発達期でDSに特徴的なIdoUAを含む2種類の二糖単位の上昇、合成に関与する2種類の硫酸基転移酵素の発現上昇を見いだし、小脳の発達に、CS/DS混成鎖が重要であることを示した。 ブタ胎児脳から単離精製したCS/DSハイブリッド鎖のマウス海馬ニューロンに対する神経突起伸長促進活性にプレイオトロフィンと肝細胞増殖因子のシグナル伝達経路が関与していることを見いだし、サメ肝臓由来のCS/DSハイブリッド鎖にもそれらのシグナル伝達経路を介してマウス海馬ニューロンに対して強い神経突起伸長促進活性を示すことを見いだした。 脳の神経細胞を覆う神経細胞周囲網(PNN)はシナプス回路構築の終わり頃に形成されるマトリクスである。性質の異なるCSプロテオグリカンをPNNから段階的に抽出する条件を見いだした。 ヘルペス単純ウイルス-1の感染に抵抗性を示すマウスL細胞変異株sog9の感染性欠如の原因がコンドロイチン4-硫酸基転移酵素遺伝子の欠損であり、この酵素がE構造の生成に必須であり、ヘルペス単純ウイルス-1の感染に細胞表面のCS-E構造が係っていることを証明した。 イカ軟骨由来のCS-Eは神経突起伸長促進活性、ヘパリン結合性増殖因子との結合活性、ヘルペスウイルス感染阻害活性等を示すが、詳細な構造は不明であった。今回、一連の硫酸化八糖と十糖を単離し、構造決定し、マウス抗CS単クローン抗体MO-225が認識する十糖を同定した。 サメ軟骨由来のCS-Dから単離構造決定していた5種類の硫酸化人糖のNMRとコンピューターモデリングで立体構造と静雷ポテンシャルの分布を明らかにし、単クローン抗体で認識される構造の特徴を解明した。
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