2006 Fiscal Year Annual Research Report
多機能プロテアーゼオキシトシナーゼサブファミリーの作用メカニズム研究
Project/Area Number |
18390031
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
辻本 雅文 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 主任研究員 (00281668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 明 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 先任研究員 (50300893)
丸山 正人 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 協力研究員 (00399445)
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Keywords | アミノペプチダーゼ / 胎盤性ロイシンアミノペプチダーゼ / 脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ / 白血球由来アルギニンアミノペプチダーゼ / オキシトシナーゼサブファミリー / 立体構造解析 / アンギオテンシンIV |
Research Abstract |
近年、胎盤性ロイシンアミノペプチダーゼ(P-LAP)が、記憶や学習能を改善する新しいペプチドホルモンであるアンギオテンシンIV (AngIV)の受容体として機能することが明らかとなってきた。しかしながら、本酵素は通常、細胞内小胞に存在するためAngIV受容体として機能するには細胞膜へと移行することが必要であるが、その機構は全く明らかとなっていない。そこで本年度の解析では、P-LAPの細胞膜移行に着目し、それを誘起するペプチドホルモンの探索を行った。その結果、脳内ホルモンであるサブスタンスPによって細胞膜表面のP-LAP量が約2倍上昇することが明らかとなった。 また、オキシトシナーゼサブファミリーの立体構造解析を行うため、バキュロウイルス発現系にて大量発現させた脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ(A-LAP)の遺伝子組み換え型酵素を用いて、A-LAPの結晶化条件の検討を行った。その結果、いくつかの結晶化条件が得られたものの、X線回折像が得られるには至らなかった。その原因が、A-LAPに付加するアスパラギン結合型糖鎖にあると考え、付加糖を1本あるいは完全に除去したA-LAPを作製し、結晶化条件の検討を進めている。 これまで得られていなかったP-LAPおよび白血球由来アルギニンアミノペプチダーゼ(L-RAP)の大量発現系の構築も行った。その結果、ヒト培養細胞293細胞を用いた浮遊培養系で両酵素の遺伝子組み換え型タンパク質が十分量得られることを見出した。得られた組み換え型タンパク質を利用して、各酵素に対する阻害剤の開発やモノクローナル抗体の作製を次年度以降行う予定である。
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Research Products
(4 results)