2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390032
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
西島 正弘 国立医薬品食品衛生研究所, 所長 (60072956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 清史 同志社女子大学, 薬学部, 助教授 (60270641)
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Keywords | エキソソーム / 細胞内寄生細菌 / 質量分析 / リポ多糖 |
Research Abstract |
エキソソームは細胞から分泌される多層膜の小胞で、その成分は細胞の生育状態、生育環境、そして細胞が貪食する物質により変化すると考えられる。本研究では細胞内寄生細菌が感染している細胞から分泌されるエキソソームの成分を調べ、エキソソームの細菌感染における機能、特に生体防御における機能解析を行うことを一つの大きな研究目的としている。今年度はエキソソーム成分の分析に必要な解析技術に関する研究を行った。 細胞内寄生細菌であるサルモネラ菌の外膜表面はリポ多糖と呼ばれる糖脂質で覆われている。リポ多糖は哺乳動物細胞にしか存在しないこと、リポ多糖は免疫系活性化作用があることなどから、サルモネラ菌に感染した細胞が分泌するエキソソームにはリポ多糖成分が存在し、宿主の生体防御に影響を与えている可能性が考えられる。サルモネラ菌感染細胞から放出されるエキソソームは研究対象のひとつである。これまで、リポ多糖の活性本体であるリピドA部位の構造は質量分析計MALDI-TOF MSにより容易に構造分析されたが、アミノアラビノース修飾型のリピドA検出は容易でなかった。リピドAの調整法と分析に使うマトリクスを変更したところアミノアラビノース修飾型のリピドA検出できるようになった。一方、新しい方法ではホスホエタノールアミン修飾型のリピドAは検出できなくなった。このことから、いくつかの分析法を併用して解析することによりエキソソーム中のリポ多糖分析が可能になることがわかった。
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