2006 Fiscal Year Annual Research Report
効率的かつ持続的な遺伝子発現を指向する新規遺伝子治療用DNAの開発とその応用
Project/Area Number |
18390034
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
紙谷 浩之 北海道大学, 大学院薬学研究院, 助教授 (10204629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 英万 北海道大学, 大学院薬学研究院, 助手 (80344472)
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Keywords | 非ウィルスベクター / 外来DNA / 遺伝子治療 / 核内動態 / 発現効率 |
Research Abstract |
ヒストン等の核内蛋白質との相互作用を制御することにより、外来遺伝子の核内動態や転写が制御可能であると考えられる。本研究課題は、非ウィルスベクターの問題点を解決可能なこの作業仮説に基づいている。遺伝子治療の実用化に不可欠な効率的かつ持続的な外来遺伝子発現を可能とするために、核内蛋白質との相互作用を制御する配列を導入したDNAを新たに開発することを目的としている。 以前に、我々は、マウス肝臓へ送達させた外来DNAの核内動態を解析し、外来DNA1分子当たりの発現効率が減少すること(silencing)を見出した。今年度はマウス肝臓中の外来DNAと結合している蛋白質の解析を行った。その結果、予想通り外来DNAはヒストン蛋白質と結合していること、及び、ヒストンの修飾状況には経時的変化が観察されないことが明らかとなった。また、silencingは培養細胞でも生じていることが明らかとなった。 次に、ヒストンと結合する位置を制御する配列をプロモーター近傍に導入したプラスミドDNAをマウス肝臓へ送達させ、発現に対する影響を観察した。ヒストンと結合する位置を制御する配列の導入により、核内における外来DNA量には変化は観察されなかった。一方、この機能配列の位置により外来DNA1分子当たりの発現効率は大きく影響を受けた。転写因子と相互作用する配列(TATA box)がヌクレオソームに取り込まれず露出するように、ヒストンとの結合位置を制御する配列を導入した場合、外来DNA1分子当たりの発現効率が大きく上昇することを見出した。
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Research Products
(4 results)